作業範囲記述書テンプレート
作業範囲(SoW)記述書テンプレートを使って、プロジェクトの詳細を記載し、プロセスを効率化させましょう。このテンプレートを使ってプロジェクトの明確なロードマップを作成することで、プロジェクト管理がしやすくなります。
プロジェクト管理をされた方であれば一度は、作業範囲記述書(SOW)を見たり、実際に作成された方もいると思います。
作業範囲記述書は、各プロジェクトメンバーのタスクの内容やその範囲、コストなど、プロジェクトの全体像を文書として可視化できる便利なツールであり、スムーズなプロジェクト管理を進める上で重要です。
この記事ではそんな作業範囲記述書についてやそのメリット、書き方や例についてご紹介しています。
記事の最後には作業範囲記述書の作成に役立つ無料のテンプレートやプロジェクト管理ツールについてもご紹介しているので、ぜひご確認ください。
それでは作業範囲記述書について見ていきましょう。
作業範囲記述書(SOW)とは
作業範囲記述書(SOW)は、プロジェクトマネジメントにおいて極めて重要な文書です。
英語では「Statement of Work」と書かれ、日本語では各英単語の頭文字を取って「SOW」と呼ばれることもあります。
作業範囲記述書は、プロジェクトの全体像を明確にし、プロジェクトメンバー間で認識を共有しながらプロジェクトを進めるために作成される文書です。
この文書を作成することで、プロジェクトの目標や成果物、スケジュール、予算、リソース、マイルストーン、条件などが詳細に記述されており、一目見ただけでプロジェクトに何が含まれていて、必要なものが欠けていないかなどを一目で確認することができるようになります。
作業範囲記述書は、プロジェクトの計画段階で作成され、プロジェクト全体の枠組みを定義する重要な文書です。
この文書は、プロジェクトメンバーやクライアント、ステークホルダーがプロジェクトの進捗状況や期待される結果を明確に伝えるこのとにも役立ちます。
また、契約書としての役割を果たすこともあり、プロジェクトが予定通りに進行しない場合やトラブルが発生した場合の参照資料としても使用されます。
▼ 関連ページ マイルストーンチャートとは?作成のコツやメリット、ガントチャートとの違いを解説
作業範囲と作業範囲記述書の違い
「作業範囲(Scope of Work)」と「作業範囲記述書(Statement of Work)」はしばしば混同されがちですが、これらは異なる機能を持つ文書です。
作業範囲は、プロジェクトの最初の段階で定義される大まかな枠組みであり、プロジェクト全体の目標や目的を示すことに役立ちます。
それに対して、作業範囲記述書は作業範囲を具体的なタスクや成果物に分解し、それらがどのように実行されるべきかを詳細に記述するものです。
例えば、作業範囲が「新製品の開発」と定義されている場合、作業範囲記述書では「設計」「試作」「テスト」「製品化」など、各ステップの詳細が示されます。
作業範囲記述書のメリット
作業範囲記述書を作成することでさまざまなメリットを得ることができます。
以下でこれらのメリットについて詳しく見ていきましょう。
プロジェクト目標の明確化に役立つ
作業範囲記述書を使ってプロジェクトの目標や成果物を明確に定義することで、チーム全体が共通の認識を持ってプロジェクトを進めることができます。
これにより、プロジェクトの進行中に生じる認識のズレや遅延に対するリスク最小限に抑えることができます。
リスク管理の強化ができる
作業範囲記述書には、プロジェクトのスケジュールやリソース、リスク管理に関する詳細が記載されるため、リスクを予測し、適切な対策を講じることが容易になります。
プロジェクトメンバー間のコミュニケーションを促進する
作業範囲記述書は、プロジェクトメンバー間のコミュニケーションを促進するために重要なツールです。
プロジェクトの進行中に意見の相違が生じた場合、作業範囲記述書に記載された内容に基づいて議論を進めることができます。
進捗の追跡と成果物の評価
作業範囲記述書は、プロジェクトの進捗状況の追跡や成果を評価するための基準が設定されています。
これにより、プロジェクトの成功を測るための客観的なKPIとしてもこの文書が役立ちます。
作業範囲記述書の書き方
作業範囲記述書は、以下のステップを通して作成することができます。
あくまで以下のステップは例の1つであるため、自社のプロジェクトの内容に合わせて柔軟にフォーマットを変えていくようにしましょう。
Step 1:プロジェクト概要を明確に記載する
プロジェクト名や目的、範囲を簡潔に記述します。
ここでは、プロジェクトがなぜ行われるのか、どのような問題を解決するのかを説明します。
Step 2:成果物とKPIを定義する
プロジェクトの成果物や達成すべき目標を具体的に記載します。成功基準とは、プロジェクトが成功したとみなされる条件を意味します。
Step 3:期日とマイルストーンを設定する
プロジェクトの進行を管理するためのスケジュールや主要なマイルストーンを設定します。
各タスクの開始日と終了日、担当者を明確にしましょう。
Step 4:リソースと予算を記載する
プロジェクトに必要なリソース(人員、設備、ツールなど)と、それにかかるコストを詳細に記載します。
Step 5:リスク管理計画を作成する
プロジェクトで想定されるリスクを洗い出し、それに対する対応策を記載します。
これには、リスクが発生した場合の連絡体制や対処方法も含まれます。
Step 6:検証と承認手続きを明記する
プロジェクトの成果物がどのように検証され、承認されるかの手続きを記載します。
これにより、プロジェクトの成果物がプロジェクト自体やクライアントの期待にそっているかどうかを確認することができます。
作業範囲記述書の例
具体的な作業範囲記述書の例を挙げると、例えばウェブサイトの開発プロジェクトでは以下のような内容が含まれるでしょう。
プロジェクト概要:新しい企業ウェブサイトの開発
成果物:ウェブサイト、ユーザーマニュアル、トレーニングセッション
スケジュール:開発期間3ヶ月、各フェーズごとのマイルストーン
リソース:プロジェクトマネージャー、デザイナー、開発者、QAテスター
予算:開発費用1000万円
リスク管理:デザインの変更要求、技術的な問題の発生、スケジュール遅延に備えた対応策
検証と承認:各フェーズごとのレビュー、最終納品物のクライアント承認
作業範囲記述書を書く時のポイント
作業範囲記述書を書く際には、以下のポイントに注意することが重要です。
明確かつ具体的に記述する
作業範囲記述書では具体的で理解しやすく詳細を記入することが重要です。
これにより、プロジェクトメンバー全員が同じ認識を持って業務を進めることができるようになります。
コミュニケーションを密に取る
作業範囲記述書を作成する際には、クライアントやステークホルダーと緊密に連携し、要望や想定していることを十分に理解することが必要です。
定期的に見直し、更新する
プロジェクトの進行に伴い、作業範囲記述書の内容を定期的にレビューし、必要に応じて更新することが重要です。
これにより、常に最新の情報に基づいたプロジェクト管理が可能となります。
まとめ
作業範囲記述書(SOW)は、プロジェクトの成功に不可欠な文書であり、プロジェクトの方向性を明確にし、関係者間の合意形成を支える役割を果たします。
作業範囲記述書を適切に作成し、活用することで、プロジェクトの進行をスムーズにし、リスクを最小限に抑えることが可能です。
また、作業範囲記述書はプロジェクトの成果を評価するための基準としても重要な役割を果たします。
この記事で紹介したステップとポイントを参考に、効果的な作業範囲記述書を作成し、プロジェクトを成功へと導きましょう。
作業範囲記述書の作成には Miro がおすすめ
ビジュアルワークスペースである Miro ではプロジェクト管理ツールや専用のテンプレートを使って作業記述範囲書を簡単に作成できます。
Miro の作業範囲(SoW)記述書テンプレートには必要な記入項目がすべてそろっているので、初心者の方でもすぐに作成を開始することがきます。
以下で Miro のテンプレートの使い方を見ていきましょう。
会社概要を記入:企業ロゴや所在地、主な連絡先などの基本事項を記入しましょう。
プロジェクトの成果物を明記:具体的なタスクや目標、期限を箇条書きにし、関連するファイルやリンクを添付しましょう。
除外項目を記入:何がプロジェクトの範囲外の作業かを明確に定義することで、認識のズレを防ぐことができます。
タイムラインを設定する:各フローやタスク、依存関係、期日などをマイルストーンとして記入しましょう。カレンダーツールと同期することもできます。
ステークホルダーをリストアップする:プロジェクトに関わるすべてのステークホルダーを記入しましょう。タグを付けることで各担当者や部門に通知を送ることもできます。
予算の詳細を記入する:プロジェクトにかかる費用や支払いスケジュールなど、予算・経理に関わる詳細を記入します。
記入項目の追加:Miro のテンプレートでは必要に応じて記入項目の追加や変更も可能です。ドラッグ&ドロップ、チャートやダイアグラムのようなさまざまなツールを使ってプロジェクトに合わせたテンプレートを作成しましょう。
Miro のプロジェクト管理テンプレートを使って、プロジェクトの生産性を向上しましょう。
複数のメンバーが同時に作業範囲(SoW)記述書を編集することができますか?
Miro は、チームが共同作業をするためのオンラインワークスペースです。Miro ボード内では複数のユーザーが同時に作業し、テンプレートの編集をリアルタイムで確認し合うことができます。
作業範囲(SoW)記述書テンプレートを他のプロジェクト管理ツールと一緒に使用することはできますか?
Miro ではビジネスで人気のプロジェクト管理ツールやアプリをボード内で管理することができ、情報共有や作業の効率化を実現することができます。
テンプレートの編集・修正内容を追跡することが可能ですか?
Miro ではバックログ情報の追跡を数rことができ、テンプレートの変更・修正内容の確認や必要に応じて以前のテンプレート内容に戻すことができます。
UMLメッセージシステムクラス図テンプレート
活躍するシチュエーション:
UML
Miro のUMLメッセージシステムクラス図テンプレートを使って複雑なメッセージシステムを構造化されたフレームワークに可視化しましょう。
ブルズアイ図テンプレート
活躍するシチュエーション:
プロジェクト管理, 優先順位付け, 図表作成
成長している組織にいると、すべての意思決定が運命の分かれ道であるかのように感じることがあります。そのせいで決断を下せずにいたり、優先順位をつけられない状態になったり、効率の悪い会議や士気の低下に至ることさえあるのです。そのようなシチュエーションに直面した時に、ブルズアイ図を活用しましょう。ブルズアイ図とは、その名の通り同心円を使ったダイアグラムで、企業が優先事項を設定したり、重要な決断を下したり、障害となるものを排除あるいは乗り越えたりするのに役立ちます。
ステークホールダーマップテンプレート
活躍するシチュエーション:
経営管理, マッピング, ワークフロー
ステークホールダーマップは、プロジェクトへの影響力と関心の強さに応じて関係者をグループ化する分析手法の 1 つです。このテンプレートを使用することで、製品、プロジェクト、アイデアに関心があるすべての関係者を 1 つの視覚領域に整理することができます。これにより、プロジェクトに影響を与える関係者と、関係者それぞれの関係性を容易に把握することができます。ステークホルダーマップは、プロジェクト管理で広く使われている手法で、通常はプロジェクトの開始時に実施されます。ステークホールダーマップをプロジェクトの早い段階で実施することで、ミスコミュニケーションの発生を防ぐことができます。また、すべてのグループの目的に対する認識を合わせて、成果と結果に対する期待値を設定することができます。
データフロー図テンプレート
活躍するシチュエーション:
フローチャート, ソフトウェア開発, 図表作成
特に複数のコンポーネントがある場合、どのプロセスでも、非常に複雑になることがあります。データフロー図(DFD)テンプレートを使用して、プロセスの詳細を把握しましょう。DFD は、データフロー内のすべてのコンポーネントやシステム全体の要件を、簡単に視覚的に表現することができます。これはグロースチーム、データ分析者、プロダクトチームに最もよく使用され、複雑さに応じて 0、1、2 の 3 つのレベルのいずれかを使用して作成されます。このテンプレートを使用すれば、プロセスに最適な DFD を簡単に構築することができます。
スイムレーン図テンプレート
活躍するシチュエーション:
フローチャート, 図表作成, ワークフロー
プロセスが複雑になってきたら、一歩下がって、誰が、いつ、何をするのかを視覚化することをお勧めします。スイムレーン図とは、身近なもの(水泳プール)から着想を得て、チーム、作業グループ、部門、多層化された組織のプロセスを「スイムレーン」によって整理するものです。このわかりやすいワンストップな視覚表現は、スイムレーンから着想を得て、複雑なプロセスを整理するものです。スイムレーン図は、大規模プロジェクト前の役割の明確化、新入社員の定着の迅速化、組織構造の更新など様々な用途に使用することができます。