各タスクの担当者は誰か？社内や社外で連携すべきステークホルダーは誰か（部門、サービスプロバイダー、サプライチェーンなど）？各タスクの優先度または締切日はいつか？これらの詳細をアクションプランを活用して「見える化」することにより、プロジェクトに関わるメンバー全員の認識ズレを事前に防ぐことができるだけではなく、具体的な KPI （重要業績評価指標）の選定も簡単に実行することができます。

▼ KPI についてもっと詳しく知りたい KPI とは？KGI や OKR との違いや設定方法を簡単解説

時間の効率化

上記でご紹介したメリットからも分かるように、アクションプランを作成することにより目標までにかかる時間を効率的かつ効果的に使用することができるようになります。

実行予定のアクションを事前に把握していれば、次のアクションや、その後に存在するアクションに対する事前準備もでき、シームレスにアクションを進行し続けることができます。

さらに連携が必要な部署間のコミュニケーションに発生しがちな無駄な作業や時間も事前に軽減でき、限られた時間を有効に活用できます。

時間は、カネ、ヒト、モノと同等に重要なリソースです。

アクションプランを使用して「時間の無駄」を削除しましょう。

アクションプランの例

例として、ここでは自社web サイトの訪問者数を改善するためのアクションプランの具体的な記入例を見ていきましょう。

まずは目標設定としてただ「web サイトの訪問者数を改善する」と抽象的な目標設定をするのではなく、「今期中にweb サイトの訪問者数を１万件増加する」など具体的な目標設定がアクションプランでは重要となります。

目標設定を行なった後は、その目標を達成するためのアクションについて定義する必要があります。

例えば「新しいランディングページを5件リリースする」や「他社ページにおいてのタイアップ記事ページの掲載」などがこのケースでは目標達成のためのアクションとして定義することができます。

また、ただアクションを定義するのではなく、各アクション実行に必要となってくる物理的リソースや人的リソースがいつ必要となってくるのか全体的に把握することもアクションプラン実行において重要となります。

このケースでは、人的リソースとしてコンテンツ担当、デザイン担当、web デザイン担当、マーケティング担当、プロダクト担当などを挙げることができたり、物理的リソースとして各担当がアクション実行にかかる予算や時間などを割り出す必要があります。

アクションに必要な人員や期日を数字としてアクションプランに落とし込み、各アクションの実行が確実に目標達成に貢献できるようにアクションプランを作成しましょう。

アクションプランにおいての PDCA サイクル

アクションプランは、一度作成して終わりではなく、絶えずプロジェクトの進行において更新していく必要があります。この更新作業において活躍するのが「PDCA サイクル」です。

PDCA サイクルでは、Plan（計画）→ Do（実行）→ Check（評価）→ Action（改善）を循環的に行うことで継続的な業務の改善を実現することが可能です。アクションプランに PDCA サイクルを採用し、アクションやタスクの改善や見落としていたタスクが見えてきます。

また、PDCA サイクルを使用したアクションプランの見直しは、月１回で実行することをおすすめします。

アクションプランの書き方

アクションプランを効果的に活用することで、目標達成に大きく一歩ずつ確実に進むことができます。下記では、アクションプランの記入方法からコツまですべてご紹介します。

1. 目標達成に必要なタスクをブレインストーミング

目標を達成するために完了させなければならないタスクをブレインストーミングしましょう。

目標達成に必要なタスクやアクションは何か？どのようなステップを通してアクションを実行していくのか？目標達成に必要となるステークホルダーは誰か？どのようなタイムラインでアクションを進行していくのか？などをブレインストーミングしましょう。

2. タスクをリストアップし、タスク完了に必要な条件を特定

ブレインストーミングで定義したタスクを確認し、どうすれば効率良く作業を実行することができるかについて考えてみましょう。

「必要のないタスク」をリストアップしていませんか？分割できるタスクはありますか？もっとリソースが必要ですか？設定したタスクを効率よく完了するための条件を特定しましょう。

3. SCHEMES をアクションプラン再確認のために活用

「SCHEMES」とは、Space（場所）、Cash（キャッシュ）、Helpers（協力者）、 Equipment（設備）、Materials（資材）、Expertise（専門性）、そして Systems（システム）の頭文字をとった言葉であり、計画を完了させるために必要なものすべてが揃っていることを確認することに便利なフレームワークです。

SCHEMES を確認し、目標達成のために確実にタスクを完了できる環境を整えましょう。

4. タスクの優先順位付け

必要なタスクを明確化した後は、タスクの優先順位付けを行いましょう。

効率良く目標を達成するには、どのタスクから取り掛かる必要があるのかを特定しましょう。

5.期限やマイルストーンの設定

アクションプランはあくまで「行動計画」と「実行」に焦点を置いたフレームワークであるため、一つ一つのタスクやプロジェクト全体のマイルストーンに期限を設定することが重要です。

マイルストーンや期限を設定することにより、計画通りに行動できるようになります。

6. 最終目標を念頭に置いて各タスクを完了

アクションプランは、目標の達成や戦略の実施に焦点を置いています。

これらを効率良く実現するためにタスクをただ淡々とこなすのではなく、常に各計画やタスクの調整、改善を行いましょう。

連鎖的に発生するタスクを効率良く完了するための準備や、目標達成に焦点を置いたタスクの完了方法の実施が、アクションプランにおいて重要な要素となります。

アクションプランを改善するために、SMART の法則や、PDCA サイクル、是正処置プランを使用することができます。

それによって、リスクや行動をマップ化し、より詳細な意思決定を行うことができます。

▼ SMART の法則についてもっと詳しく知りたい SMART の法則とは？活用方法や例を使って徹底解説

アクションプランに大切な３つのポイント

進捗状況の確認

計画したアクションが、計画通りのタイムラインや意図した方法で進行しているか常に確認しましょう。

初めの内は小さな誤差であっても、最後にはドミノ倒しのように計画を頓挫させてしまいます。

そのため、綿密な進捗状況の確認はアクションプランにとって非常に重要な「アクション」となります。

継続的な調整と変更

プロジェクトが進行するにつれて、新しい課題や目標が発生することがあります。

また、長期プロジェクトを実行している際は、吸収や合併など組織単位での変化が起きることもあるかもしれません。

どんな時でも、臨機応変にアクションの調整や変更を行いましょう。

変化ごとに新しいアクションプランを一から作成するのではなく、部分的な修正が必要か、それとも、全体的な修正が必要か、その場に応じて柔軟な意思決定を行いましょう。

目標ではなく「アクション（行動）」に焦点を置く

上記でも何度か言及したように、アクションプランはあくまで「行動計画」と「実行」に焦点を置いたフレームワークです。

目標達成までの各段階で必要となるアクションが計画どおりに実行されているかを常に確認するようにしましょう。

まとめ

アクションプランは、プロジェクトのタスクや期日を管理することに役立つツールであり、タスクの担当者や部門間の連携を維持することに効果的なタスク管理ツールです。

アクションプランを使用することで目標達成につながるタスクをすべて明確化することができ、効率良くプロジェクトを進めていくことができます。

また、PDCA サイクルも利用してアクションプランをブラッシュアップしていくことで、継続的に業務を改善していくことができます。

明日からアクションプランとこの記事で学んだ知識を活用して、プロジェクト管理をしてみてください。

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