なぜなぜ分析とは? やり方から注意点まで すべて解説
なぜなぜ分析とは?
なぜなぜ分析はトヨタ生産方式の問題解決フレームワークの1つであり、問題に対して 「なぜ」の質問を繰り返して、原因を特定することを目的に使用されます。
一般的に、なぜなぜ分析では「なぜ?」を5 回繰り返し質問し続け、根本的な原因を 洗い出します。
なぜなぜ分析のやり方
一見、「なぜ」を」繰り返すだけのなぜなぜ分析は簡単そうに見えますが、やり方を 間違えてしまうと、改善するための原因を見つけることができなくなります。
以下では事例を混ぜてなぜなぜ分析のやり方についてご紹介します。
シナリオ
チームが新しいアプリを開発し発売しようとしています。しかし、期限通りのリリースを 予定していましたが、最終的に 5日間の遅延が発生してしまいました。何が原因でアプリの リリースが遅れてしまったのでしょうか?
ステップ1: 問題を定義する
まず、なぜなぜ分析をして解決したい問題の定義から始めましょう。問題の内容は 抽象的になりすぎないように記入することが重要なポイントです。
【悪い例】
アプリのリリースに遅延が生じた
【良い例】
10月21日にアプリのリリースを予定していたが、5日間の遅延が生じてしまった
問題を具体的に書き出すことで、なぜなぜ分析で原因を掘り下げやすくなります。
ステップ2: 「なぜ」を使って原因を掘り下げる
ここでは設定した問題である「10月21日にアプリのリリースを予定していたが、 5日間の遅延が生じてしまった」を「なぜ」を使って原因を掘り下げていきます。
以下でどのように原因を掘り下げることができるか見てみましょう。
なぜ 1:なぜアプリのリリースに遅れが生じたのですか?
→ 開発プロセスに遅延が生じたのでリリースが遅れました。
なぜ 2:なぜ発売プロセスに遅延が生じたのですか?
→ リリース日前に突然エンジニアチームでパッチの追加作業が発生しましたが、 製品チームに追加作業についてリリース日まで共有がなかったため、発売プロセスに 遅れが生じました。
なぜ 3:なぜ製品チームはパッチ追加作業について知らなかったのですか?
→ エンジニアチームがパッチについての情報を製品チームに共有しなかっため 製品チームはパッチについて知りませんでした。
なぜ 4:なぜエンジニアチームは、製品チームに情報を共有しなかったのですか?
→ エンジニアチームに情報や進捗の共有方法が伝えられていなかったため、 製品チームとコミュニケーションを取ることができませんでした。
なぜ 5:なぜエンジニアチームは製品チームとコミュニケーションを取る方法を 知らなかったのですか?
→ 製品チームに明確な連絡窓口がないため、エンジニアチームは製品チームと コミュニケーションを取る方法がわかりませんでした。
改善策について考える
以上のなぜなぜ分析で洗い出すことができた問題の根本的な原因を分析し、今後の改善策 や解決策を策定しましょう。
作業分解図(WBS)やアクションプランなどを使って、問題に対するアクションを 細分化し、すべての原因を解決することも、良いアイデアだと言えるでしょう。
また、なぜなぜ分析では問題と結果の原因が正しく成り立っているかを確認することが 重要なポイントの1つです。
関係が成り立っていない場合、原因と結果の関係にズレが生じてしまい、問題の原因を 適切に特定することができなくなってしまいます。
なぜなぜ分析のメリット
なぜなぜ分析をすることによって問題の原因やプロセスの改善など、たくさんの メリットがあります。
以下でなぜなぜ分析を問題の究明に使うメリットについて見てみましょう。
1. 根本な原因の特定
以上の事例でもわかるように、なぜなぜ分析を使うことで、問題の根本的な原因を 掘り下げることができるようになります。
発生した問題の本質を知ることにより、具体的な解決策やアクションが取りやすくなります。
2. 再発防止
なぜなぜ分析をすることで、問題の根本原因を特定し解決するため、同じ問題が 再発するリスクを大幅に下げることができます。
3. 効率的な問題解決
問題の本質に迫ることで、時間とリソースを浪費することなく、効率的に問題を 解決する方法を見つけることができます。
4. ギャップの学習にもつながる
なぜなぜ分析を共有することで、現状の組織形態や業務プロセスが抱えるギャップを 明確化することができます。 理想的な状況に近づくためには何をすれば良いのかをブレインストーミングすることにも なぜなぜ分析が役立ちます。
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まとめ
なぜなぜ分析は問題の原因を特定するためのトヨタ生産方式の中の原因分析フレーム ワークの 1 つです。
なぜなぜ分析では問題が発生した際に、「なぜ?」という問いを最低でも5回繰り返し、 根本的な原因を掘り下げていくことができます。
表面的な原因ではなく、隠れた根本原因を突き止めることができるのがこの分析の 最大のメリットです。
なぜなぜ分析によって、単なる問題の特定だけではなく、真の改善策を見つけ、 問題の再発を未然に防ぐことが可能となります。
組織の効率的な問題解決と改善の推進、そして品質向上の手段として、幅広い分野で 採用されている有効な手法です。
明日からこの分析手法を使って、組織やプロジェクトが直面している問題の原因分析と 改善策の策定をしてみてはいかがでしょうか。
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