エクスペリエンスマップとは?作り方やメリットをわかりやすくご紹介
エクスペリエンスマップは、自社プロダクト・サービスに対するユーザーエクスペリエンス (UX)の可視化に役立つ図です。
エクスペリエンスマップを作成することで、今後のプロダクト・サービス戦略やプロセスの 計画を効果的に実行できるようになり、UX の改善や利益の向上に貢献してくれます。
カスタマージャーニーマップと混同されることがありますが、用途や目的などの点で 少しニュアンスの違いがあります。
本記事ではそんなエクスペリエンスマップについてやその作り方、カスタマージャーニー マップとの違いについてわかりやすく説明しています。
記事の最後にはエクスペリエンスマップの作成におすすめのツールやテンプレートについても ご紹介しているので、ぜひご確認ください。
それではエクスペリエンスマップについて見ていきましょう。
エクスペリエンスマップとは?
エクスペリエンスマップ(experience map)とは、UX デザイン分野でよく活用される マップであり、プロダクト・サービスに対するユーザエクスペリエンス(UX)を可視化する ことに役立ちます。
また、エクスペリエンスマップは、既存のプロダクト・サービスだけに依存したツールでは なく、新規事業を作るためのヒントとしや、他社サービスに対するユーザーの行動を 分析するためのツールとしても使用することができます。
効果的なUX戦略では、集客プロセスから購入後のプロセスにいたるまで、高いレベルで ユーザーエクペリエンスを維持する必要があり、エクスペリエンスマップを作成することで ユーザーのビジョンやニーズに寄り添ったユーザーエクペリエンスを提供することが できるようになります。
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エクスペリエンスマップとカスタマージャーニーマップの違い
エクスペリエンスマップは、カスタマージャーニーマップとよく混同されがちですが、 用途と構造上に少しのニュアンスの違いがあります。
カスタマージャーニーマップは、特定のペルソナがプロダクト・サービスを購入するまでに 通る道のり(プロセス)を図で可視化したものです。
一方で、エクスペリエンスマップは、プロダクト・サービスがどのような体験をより大きな ユーザーグループに提供できているのかを可視化するための図です。
つまり、カスタマージャーニーマップで設定されるより詳細なユーザー像とは違い、 エクスペリエンスマップではより一般的なユーザー像を対象として分析をするということが わかります。
▼ 関連ページ カスタマージャーニーマップとは?詳しい作り方や注意点を例を使って解説
エクスペリエンスマップを使うと良い点
エクスペリエンスマップの作成にはさまざまなメリットがあります。
良い点1:ターゲットユーザーをより理解できるようになる
エクスペリエンスマップを作成することで、企業や組織はターゲットユーザーがプロダクト ・サービスとどのように相互作用しているか、またその過程でどのような感情を経験している かを深く理解できます。
これにより、ユーザーのニーズや問題点が明確になり、より顧客中心の戦略を立てることが 可能になります。
良い点2:ペインポイントと機会の特定
エクスペリエンスマップは、カスタマージャーニー中に発生する具体的な課題やフラスト レーションを浮き彫りにします。
これを特定することで、改善の必要がある領域や新たな機会を見つけ出し、製品やサービスの 改善に直結させることができます。
良い点3:組織全体の認識の統一
このマップを使用することで、企業内の異なる部門間で顧客体験に関する共通の理解と 認識を持つことができます。
マーケティング、製品開発、カスタマーサポートなど、様々な部門が同じ情報を共有し、 協力してユーザー体験を向上させることが可能です。
良い点4:戦略的意思決定のサポート
ユーザー体験の全体像を把握することで、戦略的な意思決定ができるようになります。
どのような戦略が最大の影響を与えるかを判断するのに役立ち、リソースを最も必要とされる 改善点に集中させることができます。
良い点5:ユーザー満足度とロイヤリティの向上
エクスペリエンスマップを通じて得られた洞察を活用してユーザー体験を向上させることで、 ユーザーのプロダクト・サービスに対する満足度を高め、結果としてロイヤリティを 向上させることが期待できます。
ユーザーがポジティブな体験を持つことで、リピート購入や口コミによる新規ユーザーの 獲得にもつながります。
エクスペリエンスマップの作り方
ここでは実際のエクスペリエンスマップの作り方(書き方)を以下の5つのステップで 見ていきましょう。
Step 1:ユーザーグループの特定をする
まずは、どのユーザーグループに対してエクスペリエンスマップを作成するのか考えましょう。
ここでは、自社のプロダクト・サービスの当てはまる1つの一般的なユーザー像について 考えることが重要です。
ユーザーグループを特定できたら、そのユーザーグループが自社のプロダクト・サービスに 対してどのように考えているのか、どのように感じているのか、ユーザー視点での分析を しましょう。
Step 2:タッチポイントを見つける
「タッチポイント」とはマーケティングにおいて「顧客とビジネスをつなぐ接点」のことを 指し、エクスペリエンスマップにおいてユーザーが自社プロダクト・サービスを体験する ポイントの戦略策定・管理に重要な要素です。
ここで重要なことは、各タッチポイントがどのようにユーザーの購買力に影響を与えるかと いうことを明確認することです。
各タッチポイントで適切な戦略を立て、しっかりと管理することで、ユーザー体験の向上 にもなり、長期的な利益の向上が望めることでしょう。
▼ 関連ページ マーケティングでのタッチポイントとは?使い方や例をご紹介
Step 3:ユーザーに共感する
タッチポイントが特定できたら次は、ユーザーの中でどのようなことがペインポイント・ 課題となっているのかブレインストーミングしてみましょう。
ペインポイントを特定することで、ユーザー体験においての改善点も見えてきます。
共感マップなども活用すればより視覚的にユーザーの感情がマッピングしやすくなります。
▼ 関連ページ 共感マップとは?6つの要素やメリットや作り方を詳しく解説
Step 4:エクスペリエンスマップに落とし込んでいく
Step 1 から Step 3 までの情報を洗い出せたら、これらの情報をエクスペリエンスマップ へと落とし込んでいきます。
その際、以下の情報を記入するようにしましょう。
ユーザー窓口
ユーザーが期待すること
ユーザーがする体験
ユーザーがどのように感じるか
Step 5:ユーザー体験に対するKPIを設定する
KPIとは「Key Performance Indicator(主要業績評価指標)」の略語であり、業績管理評価 のために必要な指標として使用されます。
KPIを使って進捗を追跡することで、エクスペリエンスマップの中で改善点や強化することが できる点を見つけられるようになります。
例えば、ネットプロモータースコアをKPIの1つとして設定することができ、ユーザーが 自社プロダクト・サービスを購入した後に、購入したものを推薦するかや、再度購入するか などの意欲を数値として出すことができます。
▼ 関連ページ KPI とは?KGI や OKRとの違いや設定方法を簡単解説
まとめ
エクスペリエンスマップは、ユーザーが自社プロダクト・サービスをどのように体験するかを 理解し、視覚的に表現するツールです。
このマップは、カスタマージャーニーの各ステージでの行動、感情、体験のタッチポイントを 一つに集約して表し、ユーザーの体験、ペインポイントを詳細に理解することに役立ちます。
エクスペリエンスマップの作成によって、ユーザーのニーズやフラストレーションが明らかに なるため、これらの情報をもとに改善策を講じることができます。
また、このマップは組織内の異なる部門がユーザーエクスペリエンス(UX)についての 共通理解を持つための基盤ともなり、より効果的なコミュニケーションと連携を促進します。
このようにして、エクスペリエンスマップは戦略的な意思決定を支援し、顧客満足度の向上に 必要不可欠なツールといえます。
この記事で学んだことを明日からのエクスペリエンスマップの作成に生かしましょう。
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