プロセスマップとは?作成に必要なステップと事例を紹介
プロセスマップを作成することで、プロセスの全体像が理解できるようになります。 既存のプロセスを分析し、問題解決に役立つデータを作成、ビジネス全体のプロセスの効率化を実現しましょう。
この記事では、そんなプロセスマップについてや、メリット、作り方について広くご紹介しています。プロセスマップについて学び、プロセス改善にこのツールを活用しましょう。
また、Miro ではプロセスマップ作成ツールが無料でご利用いただけます。下記のリンクから製品情報をご確認ください。
プロセスマップとは?
プロセスマップは業務フローを可視化し、効率化を図るためのツールです。プロセスの明確化やプロセス改善のためのチーム内ブレインストーミングでの活用、社内コミュニケーションの改善、プロセスの文書化などに役立ちます。
プロセスマップはプロジェクト管理ツールとしても活躍します。プロセスマップを使うことで、プロジェクトマネージャーはプロジェクトのすべての潜在的な問題を可視化したり、プロジェクトメンバー間の依存関係を把握することができます。
プロセスマップを作成することにより、改善点を見出すこともできます。プロセスのボトルネックや反復作業、遅れを正確に把握することにより、これらの問題を解決し、プロセスを改善することができるのです。
プロセスマップは、境界を定義するものでもあります。チームはプロセスに何が含まれ、どのように機能し、どこで終了するのかを確認できます。さらに、プロセスマップは誰がそのプロセスを担当するのか、プロセスを進行させるために必要な具体的な担当内容などの重要な情報の明確化に役立ちます。
また、プロセスマップは特定の目標や指標でプロセスの有効性を測定するため、チームはリアルタイムで進捗状況を把握し、パフォーマンスを反映させることができます。
Miro ではプロセスマップテンプレート使用したプロセスマップの作成やプロセスマップ作成ツールを使って一からマップを作成するができます。
なぜプロセスマップが重要なのか?
プロセスマップは新しいプロセスと既存のプロセスを比較する際にも活躍します。 以下ではプロセスマッピングが重要である主な理由のいくつかを見てみましょう。
1. シンプルなプロセスが設計できる
プロセスマップを使用することによりプロセスの効率化が実現できます。不要な部分を削除し、最初から最後までのプロセス全体をよりシンプルに設計することが可能になります。
2. プロセスを簡単に把握できる
プロセスマップを社内のチームメンバーや社外のステークホルダーと共有し、ビジネス全体の見える化を実現することができます。
3. コミュニケーションの改善
プロセスに関する情報に透明性を持たせることでチームや組織内でのコミュニケーションの改善ができます。プロセスに関与するすべてのメンバーに各担当内容や質問がある場合の連絡先をプロセスマップを通して共有しましょう。
4. プロセスの文書化
プロセスを文書化することで、ビジネス全体の業務フローを標準化することができます。また、いつでもプロセスがどのように機能しているかを分析し、必要な変更を加えることができます。
5. プロジェクトの計画に便利
プロセスマップを使用して、今後のプロジェクトをより良く計画し、整理することができます。プロセスのすべての段階を視覚化することで、プロジェクトを成功させるために必要な情報とリソースを確保することが可能です。
プロセスマップの記号
プロセスマップの作成では、UML(統一モデリング言語)で使用されている記号を使用します。
プロセスマップを効率的に設計するためには、記号とその意味を理解する必要があります。ここでは、プロセスマップに使用される一般的な記号をいくつかご紹介します。
プロセス・処理記号
プロセスを進めるために必要なアクション、タスク、または操作を指す記号。
遅延・延期記号
プロセスのどこかで待機期間や遅延が発生していることを指す記号。
サブプロセス(または定義済み処理、サブルーチン)記号
メインタスクの中に存在するタスクに関連するアクションを表す記号です。
準備記号
次のプロセスを発生させるために必要なプロセスを示す記号。
矢印・接続線
プロセスマップの進行方向を示す線。
開始&終了記号
プロセスの開始と終了を表す記号。
判断記号
意思決定が必要なことを示す記号。この記号の矢印には通常、「真/偽」または 「Yes /No」のラベルが付きます。
入出力データ記号
プロセスに出入りする情報またはオブジェクトを表す記号。
ドキュメント記号
書類の作成が必要なプロセスを表す記号。
保存・保管記号
データが保存される工程を示す記号。
システム(またはデータベース)記号
処理情報がデータとして保存されるプロセスを表す記号。
プロセスマップの例
ここでは、プロセスマップの種類と企業での活用事例をご紹介します。
ビジネスプロセスマップ
ビジネスアナリストやディベロッパーは、BPMN図を使用してビジネスプロセスを俯瞰することがあります。このプロセスマップはは既存のプロセスの分析や認識の共有を目的に使用されます。
プロセスの分析や認識共有にこの図を使用することで、組織全体のコミュニケーションに透明性を持たせることができ、プロセスの理解による生産性の向上にもつながります。
スイムレーン図
スイムレーン図とはプロセスフローチャートの1種であり、プロセスのどの部分を誰が担当するのかを示すフローチャートです。
この図は行(レーン)で分割されており、各行が異なるチームや部門を表しています。
各レーン内の図形はアクションを表し、特定のアクションが完了した後にプロセスがどのように進行するかを矢印で示しています。
バリューチェーン図
バリューチェーン分析またはバリューストリームマップとも呼ばれるバリューチェーン図は、ビジネス戦略の分析に役立つフレームワークです。既存のプロセスの改善に重きを置き、どのように競合他社に対して優位性を獲得できるかを分析するために使用されます。
連結するボックスはプロセスを一目で理解するために簡略されたものです。このフレームワークで洗い出した情報を分析することにより、顧客価値向上に向けた次のステップを可視化することができます。
プロセスマップの作成方法
プロセスマップは複雑なプロセスの分解に役立つフレームワークですが、作成自体はそれほど複雑ではありません。以下の 8 つのステップから見やすいプロセスマップを簡単に作成しましょう。
1. テンプレートの活用
プロセスマップテンプレートを活用することで、簡単にマップの編集を開始することができます。新しい列や付箋、図形などを追加し、目的に合ったプロセスマップを作成しましょう。
2. 作成したいプロセスを洗い出す
次にマップを使って表現したいプロセスの洗い出しをしましょう。営業プロセスや企業内プロセス、カスタマージャーニーなど Miro では多数のプロセスマップを作成することができます。
プロセスの洗い出しはプロセスの核となる要素です、どんな目的や目標を達成しようとしているのか誰でも明確に理解できるようにしましょう。
また、会議などを通してプロジェクトメンバーと認識合わせをすることも効果的です。対面でもオンラインに関係なく、チームを1つの場所に収集し、プロセスやなぜそのプロセスを作成または改善したいのかについて話し合いましょう。長時間の会議を開催する必要もありません。全員がプロセスマップの目的を理解していれば、正しくプロセスを進行することができます。
3. アクションのブレインストーミング
次にプロセス全体どのようなアクションが実行されるのか考えてみましょう。チームと協力して各プロセスにおいてのアクションをブレインストーミングし、マップに記入しましょう。
ブレーンストーミングにはさまざまな手法があるため、目的のニーズに合った手法を選ぶようにしましょう。
4. プロセスマップの記号を追加する
プロセスの計画が完了した後は、対応する記号をマップに追加していきましょう。記号を追加することで誰でもマップ内の情報を一目で理解できるようになります。
5. プロセスマップを見直す
これはプロセスマップの「作成」の最終段階にあたるステップです。どのようなプロセスでマップが進行するのかや、必要なステップすべてが含まれているか、プロセスを正確に表現できているかを確認しましょう。
ここでは、プロセスマップに必要なものがすべて揃っているかどうかを確認するための質問に答えましょう。
プロセスは正しい形で進行しているか?
スムーズに機能しない部分があれば、開始地点に戻って改善するようにしましょう。
余分な要素が含まれていないか?
プロセスの効率化を達成するために、余分なアクションをすべて削除する必要があります。
チームメンバー全員がそのプロセスを完全に理解しているか?
プロセス自体が複雑過ぎで合ったり、何らかの理由でメンバーがプロセスを理解できない場合、構造自体を見直す必要があります。
不足しているステップはないか?
プロセスマップの各ステップを確認し、すべてのアクションが適切に実行されているか分析しましょう。不足しているものがあれば、すぐに追加しましょう。
以上の質問に答えることで、より精密なプロセスマップを完成させることができます。
6. 成功の定義を行う
プロセスマップをチームと共有する前に、どのような結果が成功として定義されるのか考えてみましょう。これは、プロセスが達成すべきこと、それを達成するための計画、そしてその成功を測定する方法を明らかにすることを意味します。
明確で測定可能な成功の定義を作成するために SMART 目標設定シートを使用しましょう。
SMART目標のフレームワークはチームが具体的、測定可能、かつ現実的な目標を作成することに役立ちます。このモデルを使用することで、プロセスが何を目的としているかを正確に分析することができます。このモデルを使って、プロセスの進捗を追跡し、いつゴールに到達したかを確認しましょう。プロセスが目標を達成できなかった場合は、何が問題だったのかを検証し、今後に向けて修正することができます。
7. チームとプロセスマップを共有する
目標を設定した後は、チームメンバーや取引先、上司、サプライヤー、顧客、またはプロセスに影響を受けるステークホルダー全員とマップを共有しましょう。
Miro ボードではステークホルダーがいつでも1つのボードで情報を確認し、コメントや質問を追加、フィードバックを残すことが可能です。
1つのボード上で情報を交換することにより、異なるアプリやツールを行き来したり、全員に個別に話しかけたりする必要がなくなります。オンラインのプロセスマップを共有するだけで、多数のメンバーからのフィードバックを短時間で一箇所に集めることができるのです。
8. 更新と改善
ビジネスモデルやビジョンの変更に伴いプロセスマップも変化します。
これらの変化に対応するためには、プロセスを常に適切なものにしておく必要があります。つまり、継続的にプロセスマップを見直し、最新の状態に保つために更新または改善しなければなりません。
まとめ
プロセスマップは特定の業務や作業フローを視覚的に示す図式化されたツールです。一連の活動やタスクがどのような関係にあるのかや、どのような順序で行われているのかを見える化することに役立ちます。プロセスを俯瞰することで、無駄なステップの省略やバックログの特定などの改善点を洗い出すことができます。
これにより、プロジェクトや組織経営の効率化や生産性の向上、顧客満足度の向上を達成することができます。プロセスマップは業務フロー図、スイムレーン、バリューストリームマップなどの形で作成されます。どの形式を選ぶかは、図示したいプロセスの複雑さや目標によって異なります。次回のプロジェクトでどのようにしてプロセスマップを使用できるのか考えてみてはいかがでしょうか?
Miro ではプロセスマップが作成できるツールやテンプレートが無料でご利用いただけます。ホワイトボードツールでプロセスマップを作成することにより、他のプロジェクトメンバーと情報を簡単に共有したり、プロセスの改善に関するフィードバックや議論を 1 つのボードだけですべて実行することができます。下記のリンクから製品ページとテンプレートページをご確認ください。