配置図とは?書き方や作成するメリットを例を使ってご紹介
配置図は、UML(統一モデリング言語)の一種であり、ノード上の成果物の物理的配置を視覚的に表現するために使用される図です。
簡単に言うと、ソフトウェアコンポーネントがインストールされるハードウェアコンポーネントの記述に使われる図です。
コンポーネントはコードを表し、1 つのコンポーネントは単一のプログラムであることもあれば、スクリプトやソースファイルなどの複合的プログラムであることもあります。
本記事では、そんな配置図についてや配置図で記入される構成要素、書き方についてわかりやすく説明しています。
記事の最後には図の作成におすすめのオンラインツールについてもご紹介しているので、ぜひご確認ください。
それでは配置図について見ていきましょう。
UMLにおける配置図とは?
上記でも少しご紹介したように配置図は、UML(統一モデリング言語)の一種であり、システムのコンポーネントの物理的な配置を表すために使用されます。
ソフトウェアがどのようにノードと呼ばれるハードウェアコンポーネントに割り当てられているかを示し、システムの実行、運用、およびスケーリングに不可欠なソフトウェアとハードウェアの物理的な構成を視覚的に表すことに役立つ図です。
この図は、ソフトウェアエンジニアやシステムエンジニアが、システムが展開される複雑なインフラストラクチャやネットワークの設定を詳細に説明し、理解するために使用する図として知られています。
▼ 関連ページ
UML配置図の構成要素
配置図の書き方に進む前に、その主要な構成要素を理解することが重要です。
ここでは、配置図を作成する際に使用する主な要素をご紹介します。
ノード
「ノード」はしばしば立方体として描かれ、サーバーやデバイスのようなシステムの物理的要素を表します。
アーティファクト
「アーティファクト」とは、ノード上に存在するソフトウェアプログラムやファイルなどの有形要素のことを指します。
関係
「関係」は、アーティファクトがどのように接続され、システム全体でどのように通信しているかを示す。
UML配置図の書き方
UML 配置図の作成は、システムのハードウェアおよびソフトウェアアーキテクチャを詳細に理解する必要があり、反復的かつ理路整然としたプロセスです。
このセクションでは、配置図の書き方をいくつかのステップでご紹介します。
Step 1:物理コンポーネントを洗い出す
サーバー、デバイス、ノードなどのシステムコンポーネントを表すすべての物理コンポーネントを特定することから始めましょう。
各ノードの物理的な位置やネットワーク構造、処理環境についてここでは考えましょう。
Step 2:ソフトウェアアーティファクトをリストアップする
配置されるすべてのソフトウェア成果物を特定しましょう。
これらには、コンパイル済みコード、データベース、ライブラリ、その他の実行可能ファイルを含めることができます。
各アーティファクトのバージョンと構成の詳細を明確に指定するようにしましょう。
Step 3:関係を定義する
次にノード間のネットワーク経路を定義します。
これには、関連関係、依存関係、または配置関係を設定することが含まれます。
これらの関係は、配置図の特定の接続線と矢印の方向を使って表されます。
Step 4:ノードにアーティファクトを設定する
各ソフトウェアアーティファクトをノードに割り当て、システムの各パーツがどこに配置されるかを示します。
これには、アプリケーションをホストするウェブサーバー、データを管理するデータベースサーバー、ソフトウェアコンポーネント間の通信に必要なミドルウェアなどを含めることができます。
Step 5:構造を詳細に記入する
ハードウェアとソフトウェアに加えて、特定のオペレーティング・システム、クラウドベースのプラットフォーム、Dockerのようなコンテナ化されたソリューションなどの実行環境も含めましょう。
Step 6:図に注釈を付ける
必要に応じて、図にメモや制約を追加します。
これには、特定のネットワーク構成、ファイアウォールルール、または配備に影響するその他の関連情報が含まれる場合があります。
わかりやすいUML配置図を作成するコツ
ここでは、わかりやすい配置図を作成するコツについてご紹介します。
読みやすさを保つ
図どのサイズで共有されても読みやすいように、明確で一貫性のあるレイアウトを使用しましょう。
定期的に更新する
プロジェクトメンバーやクライアントとの認識のズレを避けるため、システムの変更に合わせて図を最新の状態に保つようにしましょう。
オンラインツールを使って作業を効率化
インターネット上にはUML図を作成するためのオンラインツールが多く提供されているので、オンラインツールも活用して図の作成を効率化しましょう。
関係各所とコミュニケーションを取る
作成プロセスには、ネットワークアーキテクト、開発者、システム管理者を必ず参加させ、すべての関係者の要件が反映された図を作成できるようにしましょう。
必要に合わせて図を簡略化する
他で文書化できるような過度な詳細を図に詰め込みすぎず、配置を理解するための重要な要素に焦点を絞りましょう。
UML配置図の分析
配置図は単なる静的な表現ではなく、ある時点におけるシステムインフラストラクチャのスナップショットです。
このスナップショットをどのように分析するかを理解することは、スケーリング、冗長性、リソース割り当てについて十分な情報に基づいた意思決定を行う上で極めて重要です。
配置図の理解
配置図の情報を理解するために以下の点に注目しましょう。
システムのアップタイムに影響を与える可能性のある単一障害点を探す。
通信経路の潜在的なボトルネックを特定する。
システムが実際に展開しやすいかどうかを評価する。
各コンポーネントがその環境とリソースに正しく関連付けられていることを確認する。
配備構成がセキュリティ要件とコンプライアンス要件に合致していることを確認する。
配置図の使用事例
以下では、実際に配置図が活躍する使用事例についてご紹介します。
クラウドへの移行:
コンポーネントがオンプレミスのサーバーからクラウドサービスにどのように移行するかを理解するときに配置図が活躍します。
災害復旧計画:
地理的に異なる場所でのシステム復旧のための明確な計画を確保するときにも配置図が役立ちます。
システムのスケーリング:
現在の導入状況を正確に把握することで、水平または垂直方向の拡張を計画することができます。
オンボーディング:
新しい開発者やエンジニアに、システムの物理的なアーキテクチャの明確なイメージを提供するときに配置図が役立ちます。
UML配置図を使用するメリット
ここでは、複雑なシステム・アーキテクチャの簡素化から関係者間のコミュニケーションの改善まで、配置図を使用するメリットについて説明します。
複雑なシステムを簡単に表現できる
配置図は、複雑なシステムアーキテクチャを管理しやすいビジュアルに図解してくれます。
コミュニケーションの促進
配置図を使うことで、開発者やエンジニア、利害関係者間の共通言語として図が機能し、全員がシステムの物理的アーキテクチャに対して共通の認識を持つことができます。
文書化と標準化
配置図の作成は、システムの物理的な側面を文書化するのに役立ち、新しいチームメンバーのオンボーディングやデプロイの標準化に特に役立ちます。
UML配置図の作成には Miro がおすすめ
ビジュアルコラボレーションツールである Miro では、システム・ソフトウェア開発に 役立つツールやテンプレートを使ってUML配置図を効率的に作成できます。
PluntUML や Mermaid アプリなども使うことでコード内で図の編集ができるため、 編集しているシステムを一から組み直す必要もなくなります。
作図に役立つ AI 機能も充実しているため、ぜひ明日からのUML図の作成に Miro を お試しください。
製品ページは以下のリンクからご確認いただけます。
◆ Miro のUML図作成ツール ◆ Miro の図作成ツール ◆ Miro のダイアグラムテンプレート ◆ Miro のシステム構成図作成ツール ◆ PlantUMLアプリについて ◆ Mermaid アプリについて