ロジックツリーとは? 具体例や作り方を解説
ロジックツリーは、課題の分析や原因の特定、業務改善、自己分析など、 さまざまなシチュエーションで活躍するフレームワークです。
いくつかのケースでは「樹形図」や「ツリー図」とも呼ばれることがあります。
ロジックツリーを通してアイデアを関連付けていき、可視化することで、 見えなかった解決策やロジックを簡単に可視化することができます。
この記事ではそんなロジックツリーについてや、具体例、作り方、 マインドマップとの違いなどをわかりやすく解説します。
記事の最後にはロジックツリーの作成におすすめのツールやテンプレートも ご紹介しているので、ぜひロジックツリーを作成する際に参照してみてください。
それでは、ロジックツリーについて見ていきましょう。
ロジックツリーとは?
ロジックツリーとは、ある事象に対して問題や原因をツリー状に展開していき、 その事象の全体像の把握や解決策の発見に役立つフレームワークです。
ロジカルシンキングの手法の1つであり、問題を可視化して分解することによって、 問題が分析しやすくなります。
ロジックツリーでは、ブランチ(枝)を使って階層構造状に展開していき、 事象の全体像を可視化していきます。
ロジックツリーの種類と具体例
要素分解ツリー(What ツリー)
要素分解ツリー(What ツリー)は、要素・情報を網羅的に把握することに 役立つロジックツリーです。
このツリー図では、物事を構成している要素を分解していき、その事象の全体像を 把握することができます。
仕事内での業務の分担と可視化にこのツリーを使うことで具体的な行動をチームと 共有できるため、仕事が進めやすくなります。
原因追求ツリー(Why ツリー)
原因追求ツリー(Why ツリー)は、その名の通り、原因の可視化に役立つ ロジックツリーです。
例えば、顧客満足度が改善しないという問題に対して、その原因をツリー状に 分解していくことで、次のアクションプランが立てやすくなります。
なぜなぜ分析と混同されることがありますが、なぜなぜ分析では原因追求ツリー (Why ツリー)のようにアイデアを階層的に展開しません。
▼ 関連ページ なぜなぜ分析とは?やり方から注意点まですべて解説
問題解決ツリー(How ツリー)
問題解決ツリー(How ツリー)は、ある問題に対して解決策を洗い出して、 優先度を設定するためのロジックツリーです。
問題の各原因に対して、解決策をブランチを使って展開していき、その解決先に対して アクションプランを立てていくことで、どのアクションを優先的に実行していくべきかが 見えてきます。
KPI ツリー
KPI ツリーは、問題解決ツリー(How ツリー)に具体的な目標指数を設定したツリー図です。
KPI(Key Performance Indicators)とは重要業績評価指標のことを指し、 企業や組織が進捗の追跡が可能な目標を立てるために KPI を設定します。
KPI をロジックツリー内で設定することで、ある問題に対して洗い出した解決策の アクションが計画どおりに実行されているかを追跡しやすくなります。
▼ 関連ページ KPI とは?KGI や OKRとの違いや設定方法を簡単解説
マインドマップとロジックツリーの違い
マインドマップとロジックツリーは、アイデアや情報を視覚的に整理するための フレームワークですが、それぞれに特有の特徴と使用目的があります。
マインドマップでは、中心のアイデアから放射状に分岐するブランチを使って アイデアや概念を展開していきます。この方法は、ブレインストーミングや アイデアの生成、複雑な概念の簡略化、思考の整理に適しています。
マインドマップは非常に柔軟で、個々の要素間の関連性が直感的に理解しやすい形で 表示されます。
色や画像を使って情報を視覚的に際立たせることができ、クリエイティブな思考や 自由なアイデアの流れを促進します。
つまり、マインドマップはアイデアの発散やクリエイティブな思考に向いており、 ロジックツリーは問題解決や意思決定において論理的な構造を必要とする場面に 適しています。
マインドマップは、情報の関連性を捉え、ロジックツリーは、情報の流れや階層構造を 明確にすることで思考や計画の効率化に役立つフレームワークです。
▼ 関連ページ マインドマップとは?書き方や例を解説
ロジックツリーのメリット
ここではロジックツリーを使うメリットについて大きく 3 つご紹介します。
問題の全体像を可視化できる
ロジックツリーを使うことで直面している問題の全体像が掴みやすくなります。
問題の全体像を可視化することで、その問題を引き起こしている原因を洗い出し、 その原因に特化した改善策が立てやすくなります。
また、問題の全体像が明確になることで、プロジェクトチーム内での論点のズレが なくなり、より効果的な改善策をチームで策定することが可能になります。
他の人と情報が共有しやすい
プロジェクトチーム内で問題に対する解決策を共有するときにロジックツリーが あれば、どのようなプロセスやロジカルシンキングを経て、特定の解決策に たどり着いたのか情報が共有しやすくなります。
そのため、解決策が提案しやすくなり、各解決策に対してのアクションプランも チームと共有できるので、すべてのメンバーが同じ目線で業務を処理していくことが できます。
アクションの優先順位が立てやすい
問題の解決策が全体的に把握できることで、アクションプランの優先順位が 立てやすくなります。
問題の根本的な原因に対して「どのアクションが一番有効なのか」や「どのアクションが 一番早く実行できるのか」などの優先順位の設定にロジックツリーが役立ちます。
複数の候補が出てきた場合は、リソース的に一番最適なものや、原因の重要度を参考に 優先度を設定することをおすすめします。
▼ 関連ページ アクションプランとは?書き方と例、気をつけたいポイントをご紹介
ロジックツリーの作り方とコツ
ここでは、ロジックツリーの効果をより引き出すための作り方と作成時のコツについて ご紹介します。
MECE をもとに作成する
MECE フレームワークとは、もともとマッキンゼー & カンパニー (McKinsey & Company)社内で使われていた造語であり、「Mutually(お互いに)、 Exclusive(重複せず)、Collectively(全体に)、Exhaustive(漏れがない)」の 頭文字をとったロジカルシンキングフレームワークです。
MECE をロジックツリーの作成に活用する際は「Exclusive(重複せず)」に注意し、 洗い出した原因や課題が重複しないようにしましょう。そうすることでリソースの 最適化にもつながります。
また「Exhaustive(漏れがない)」にもあるように、漏れなく情報を網羅的に 展開していくことで、問題と原因との間にある関係をより合理的に分解することが できます。
ロジックツリーを作成する際は、この MECE フレームワークに沿って作成しましょう。
問題を明確に定義する
スタート地点でもある問題が明確に定義されていない場合、展開していく ロジックツリー自体が破綻してしまいます。
また、問題の定義の仕方によっては、作成していくロジックツリーの構造自体が 変わってきます。
そのため、解決したい問題についてしっかりと考え、ロジックツリー作成時には 認識のズレが発生しないよう、問題の定義を明確にすることが大切です。
具体的なアクションが出せるまで分解する
ロジックツリーの目標は、現状の課題を具体的なアクションに落とし込むことにあります。
そのため、問題の原因を可視化するだけでなく、その原因を解決するための具体的な アクションに結びつくまで、ツリーを展開していくことが重要です。
ロジックツリーまとめ
ロジックツリーは、中心にあるアイデアや課題からツリー状に図を展開していき、 情報を整理、全体像の可視化、アクションプランを立てることに役立つロジカル シンキングフレームワークです。
そのため、仕事の中でのプロセスの改善や自己目標を達成するための計画を立てる ツールとしても役立ち、課題を可視化することで具体的なアクションを立てることが できます。
ロジックツリーで重要なことは、MECE フレームワークを意識して作成することであり、 このフレームワークを使うことで、重要な要素を明確に捉えながら問題解決が実行できます。
この記事で学んだことをもとに明日からロジックツリーをロジカルシンキングに 活用していきましょう。
Miro で作成するロジックツリー
オンラインワークスペースである Miro では便利なツールや無料のテンプレートを 活用することで、プロジェクトのニーズに合ったロジックツリーを作成することが できます。
オンラインツールでもあるため、プロジェクトチームとの情報共有や情報の 一元管理にも Miro が役立ちます。
Miro を使って問題解決と意思決定プロセスを効率化しましょう。
以下のリンクから製品情報をご確認ください。
◆ Miro のロジックツリー作成ツール ◆ Miro のロジックツリーテンプレート ◆ Miro の KPI ツリーテンプレート