カスタマージャーニー マップとは?詳しい 作り方や注意点を例を 使って解説
カスタマージャーニーマップは、ユーザーがプロダクト・サービスを購入するまでに 通る道のり(プロセス)を図で可視化したものです。
カスタマージャーニーマップを作成することにより、マップ内の各タッチポイントで 適切な施策を計画できるようになります。
そのため、カスタマージャーニーをマップに落とし込んで整理することは、効果的な マーケティング施策の策定や部門横断的なコミュニケーションを促進することに有効です。
この記事では、そんなカスタマージャーニーマップについてや作成する目的、 作り方についてわかりやすい例を使って解説します。
記事の最後にはおすすめのツールやテンプレートも紹介しているのでぜひご確認ください。
それでは、カスタマージャーニーマップについて見ていきましょう。
カスタマージャーニーマップとは?
カスタマージャーニーマップとは、ユーザーがプロダクト・サービスを購入するまでに 通る道のり(プロセス)をマップに落とし込んだ図のことを指します。
ユーザーがプロダクト・サービスを購入するまでのプロセスをマップを使って 可視化することで、各タッチポイントで適切なタイミングかつ適切な方法でユーザーの 購買意欲を促すための施策を打ち出せるようになります。
また、共感マップなども併用しながらマップを作成することで、ユーザーの心理状態を 理解しながらカスタマージャーニーを組み立てることができるので、施策の効果を より底上げできることでしょう。
▼ 関連ページ 共感マップとは?6つの要素やメリットや作り方を詳しく解説
カスタマージャーニーマップを作成する目的
カスタマージャーニーマップを作成する目的は「プロダクト・サービスの認知から購入、 その後の消費者間の情報共有に至るまでの顧客体験全体の効果的なマネジメントの維持」です。
また、複数のチームが参加するプロジェクトにおいてカスタマージャーニーマップは、 各タッチポイントでどのチームがどの施策を担当するのかを可視化するための コミュニケーションツールとしても活躍します。
そのため、カスタマージャーニーマップを作成することで各タッチポイントに関わる さまざまな部門担当者と認識を合わせながらプロジェクトを進められるようになります。
カスタマージャーニーマップの基本的なレイアウト・例
カスタマージャーニーマップは、以下のレイアウトを使って作成することができます。
また、カスタマージャーニーマップは、ペルソナ 1 人ごとに 1 つ作るのが原則です。
ペルソナを定義した後は、ペルソナに合わせたカスタマージャーニーマップを 作成していきます。
この基本的なレイアウトの例では、横軸に購入に至るまでのユーザーの行動(プロセス)が 配置され、そのステップごとにペルソナの行動や感情、タッチポイントや顧客体験、 施策内容などを設定しています。
カスタマージャーニーマップの作り方
カスタマージャーニーマップは適切な手順で作成しなければ、ユーザーニーズに合った マップを作成することができません。
そのため、作成手順をしっかりと理解し、正しく作成することが、今後のタッチ ポイントやマーケティングキャンペーンの策定において重要となってきます。
ここでは、カスタマージャーニーマップの作り方を5つのステップに分けて詳しく 説明していきます。
Step 1:ユーザーペルソナを設定する
まずは、カスタマージャーニーマップの作成において柱となる、ユーザーのペルソナを 設定するところから始めましょう。
ペルソナを設定することで、より具体的なユーザー像をイメージしながらカスタマー ジャーニを組み立てていくことができます。
また、ペルソナを設定する際は、自社の憶測ではなく、既存のユーザーや継続的に 運用している施策のデータなどを使って客観的な視点でペルソナを設定することが重要です。
▼ 関連ページ ペルソナとは?事例を使った設定方法や意味を解説
Step 2:テンプレート(雛形)を作成する
ユーザーペルソナを設定した後は、購入に至るまでのプロセス(時間軸)における ステップを定義していきます。
自社が提供しているプロダクト・サービスの購入が必要となるニーズの発生時期から 認知、購入、口コミの共有などのタッチポイントをこのステップで洗い出していきましょう。
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Step 3:行動・タッチポイントを整理する
カスタマージャーニーマップにおけるプロセスが決定したら、次は、それに対する タッチポイントを整理していきましょう。
このプロセス内のタッチポイントの定義では、社内で持っているデータや憶測だけでは 重要なタッチポイントなどを見落としてしまうことがあります。
そのため、既存のユーザーを対象とした調査・インタビューや社内でペルソナに 当てはまる年代や性別の人にヒアリングをするなどして多角的に情報を集められるように しましょう。
▼ 関連ページ マーケティングでのタッチポイントとは?使い方や例をご紹介
Step 4:意識、感情、体験を追加していく
タッチポイントが整理できたら、各タッチポイントに対するユーザーが考えることや感情、 体験について考えていきましょう。
これらの要素は、事前にユーザーを対象とした定量・定性調査実施できれば理想的ですが、 これらの調査ができない場合は、上記でも言及したように社内でペルソナに当てはまる 年代や性別の人にヒアリングをするなどをすることで情報を集めることができます。
例えば、タッチポイントについては「どのようなチャネルを通して、どのような コンテンツにたどり着いたのか、どのような経緯・動機があってそのメディアを 利用するに至ったのか」。
そして、タッチポイントに対する感情に対しては「そのメディアで閲覧したコンテンツに 対してユーザーがどのように感じたのか、どの程度の購買意欲が発生したのか」などを 詳細に考えるようにしましょう。
Step 5:各プロセス・タッチポイントに対してKPIを設定する
カスタマージャーニーマップが完成したら、各プロセス・タッチポイントに対して KPIを設定していきます。
また、KPIは、カスタマージャーニー内でユーザーがプロセス・タッチポイントを 移動したことが目に見えて計測できるものを設定するのがポイントです。
例えば、ユーザーが「認知」したことを証明するためには、チャネルであるソーシャル メディアやEメールに記載してあるURLからターゲットLP(ランディングページ)に 流入したことが必要となります。
そのため、この例では「LPへの流入数=セッション数」をカスタマージャーニー内での KPIの1つとして設定することが可能です。
上記の例からカスタマージャーニーマップ内でのKPIは、必ずユーザーの行動が 目に見えて計測できる指標を設定するようにしましょう。
▼ 関連ページ KPI とは?KGI や OKRとの違いや設定方法を簡単解説
カスタマージャーニーマップ作成においての注意点
カスタマージャーニーマップの作成においては、いくつか押さえておきたい 注意点があります。
以下でご紹介する点を踏まえながらマップを作成していくことで、より運用しやすい マップを作成することが可能になります。
カスタマージャーニーマップの作成には必ずペルソナを設定する
上記でも解説したように、カスタマージャーニーマップの作成においてペルソナの 存在は重要です。
実際にターゲットにしたいユーザー像をペルソナを使って明確に定義できていない場合、 カスタマージャーニーマップを作成しても、ユーザーの行動と自社が想定したイメージの 間にギャップが生じてしまい、期待した成果が出せなかったり、計画通りに施策が 進まなかったりしてしまいます。
また、ペルソナの設定において一番注意しておきたいポイントは、1人のペルソナごとに 1つのカスタマージャーニマップを作成することです。
複数のペルソナに対して漠然としたカスタマージャーニーマップを作成した場合、 焦点がズレてしまい、思ったような成果が出せなかったという例も少なくありません。
そのため、ペルソナの属性に最適化されたマップを作成するようにしましょう。
ペルソナの詳細を作り込み過ぎないようにする
精度の高いペルソナを設定することは、カスタマージャーニーマップの作成において、 より適切なタッチポイントの計画や施策の策定に重要なことです。
しかし、ペルソナの精度を可能な限り上げようとして、詳細まで作り込み過ぎて しまった場合、セグメントが細分化されてしまって、他のペルソナが派生してしまう ケースがあります。
セグメントが細分化されてしまうと、各ペルソナから得られる成果が縮小されて しまうため、コスパの悪い結果が施策から出てきてしまいます。
運用がしやすいペルソナを維持するためにも、ペルソナは、細部まで作り込み過ぎない ようにしましょう。
ユーザーに対してよく知ること
カスタマージャーニーマップは、徹底的に顧客の視点に立って作成していくことが重要です。
自社の憶測や想定だけでタッチポイントなどを設定してしまった場合は、実際に施策を 実行する際に、自社が感じたことと、実際のユーザーの行動にギャップが生じてしまい、 期待した結果が出せません。
デザイン思考の手法などを活用して、実際の顧客の視点からカスタマージャーニーマップを 作成できるようにしましょう。
▼ 関連ページ デザイン思考とは?5つのプロセスと役立つフレームワーク
定期的に見直してマップを継続的に改善する
一度カスタマージャーニーマップが完成しても、定期的に見直し、継続的に更新していく ことが重要です。
市場のトレンドは常に変化するものであり、市場のトレンドに合ったカスタマージャーニー マップを持っていないと、適切な施策を維持できないため、大切なリソースを無駄遣い してしまいます。
特に今日の市場では、新しいソーシャルメディアチャネル化やインフルエンサーマーケ ティングなどで激しい変化が見られるため、これらの変化に合わせてカスタマージャーニー マップもカスタマイズする必要があります。
KPI での成果なども見て、継続的にカスタマージャーニーマップを改善していくことが、 市場で成功するためには欠かせないプロセスとなります。
まとめ
カスタマージャーニーマップは、ユーザーがプロダクト・サービスを購入するまでに 通る道のり(プロセス)をマップで表現したツールです。
ユーザーペルソナに合わせてカスタマージャーニーマップを作成することにより、 各タッチポイントでそのユーザーに対して適切な施策を実施できるようになります。
また、プロジェクトメンバーやクライアントと連携をとるためのコミュニケーション ツールとしてもこのマップが活躍するため、すべての部門の担当者が同じ目線で プロジェクトを進めることにも役立ちます。
今日の市場では、顧客の目線に立って施策を打ち出し、顧客のニーズに合った キャンペーンを実施することが重要です。
カスタマージャーニーマップは、ユーザーが自社プロダクト・サービスを購入する プロセスの全体像やユーザーの感情・意識を可視化してくれるツールであるため、 これらの施策の策定に今後も重要となっていくことでしょう。
今後のマーケティングやビジネス戦略にこの記事で学んだカスタマージャーニーマップを ぜひ活用してみてください。
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