マンダラチャートとは?目標達成への作り方を 詳しい例を使ってを 徹底解説
マンダラチャートとは?
マンダラチャート(マンダラート)は 9×9 のマスで構成される目標達成ツールであり、 目標達成のためのビジョンの明確化や具体的な行動計画の作成に役立ちます。
マンダラチャートの中心にはメインテーマが存在し、それを囲むように8つのサブテーマが 存在します。さらに、各サブテーマの周りにサブテーマを完了するための実行すべき課題や アクションをしていくことで、大きな目標(メインテーマ)を実現するためのステップを 見える化することが可能となります。
また、マンダラチャートは自己啓発やビジネスだけでなく、教育の場でも人気であり、 子供たちの目標設定や思考力を育てるためのツールとして活躍しています。
また、マンダラチャートは目標設定だけでなく、問題解決のための思考ツールとしても 役立ちます。
直面している問題をチャートの中心に記入し、その問題を解決するための要素や アクションを8つのサブテーマとして分解し、分析をすることで、多角的な視点から 問題を解決するためのアプローチが見えてきます。
※「マンダラチャート」は一般社団法人マンダラチャート協会の登録商標です。
由来は仏教の「曼荼羅」から
マンダラチャートの語源は仏教用語である「曼荼羅(まんだら)」からきており、密教で生まれたとされています。
この絵には仏様の世界や悟りの境地が描かれており、僧侶の修行のツールとしてや、アートとしても世界中で親しまれています。
曼荼羅には、中心に位置する「中尊」から外に向かって、そのほかの仏様や、方形の城郭、円形の仏塔が放射線状に広がっていきます。
この「曼荼羅」に、図表を意味する「チャート」を組み合わせた造語が「マンダラチャート(マンダラート)」であり、経営コンサルタントである松村寧雄氏が考案したとされています。
マンダラチャートとマインドマップの違い
マンダラチャートとマインドマップはしばしば類似したフレームワークと思われがち ですが、その使い方や作成する目的が異なります。
マインドマップは主にアイデア出しや情報整理に使われるツールであり、中心に位置する メインテーマから放射状に関連し合う情報やアイデアをブランチ(枝)を使って 広げていきます。
一方で、マンダラチャートは目標達成のための具体的な行動を計画するためのブレインストーミング手法の 1 つです。
中心に大きな目標を置き、その目標を達成するためのステップを8つのサブテーマに分けて 整理します。
つまり、マインドマップが思考を自由に広げ、新しいアイデアや思考の整理をするための ツールである一方で、マンダラチャートは目標を達成するための道筋を可視化するための ツールであると定義できます。
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マンダラチャートを使う5つの メリット
メリット 1 :多くのアイデアを生み出せる
マンダラチャートを使用することで目標達成や問題解決に役立つアイデアをたくさん 生み出すことができます。
メインテーマに関連するサブテーマに沿ったアイデアを8つブレインストーミングする ことで、そのサブテーマを完了するためのアクションが見えてきます。
メリット 2 :目標達成までのプロセスが明確になる
マンダラチャートを使用することで具体的な目標と、その目標を達成するためのプロセス が明確になります。
目標を取り囲むサブテーマやアクションを8つマンダラチャートに書き込むことで、 目標達成までのプロセスの全体像を把握することができ、ただ頭の中で考えたときよりも、 より整理された形で目標達成までのプロセスをイメージすることができるようになります。
簡単な例を言えば、「健康的な生活を目指す」場合には「食生活の改善」、「運動習慣」、 「睡眠時間の確保」などが具体的なアクションとしてサブテーマに記入することができます。
メリット 3 :具体的な行動を起こしやすくなる
マンダラチャートはプロセスの具体化に役立つツールです。大きな目標を設定した際、 その目標に到達するための手段やステップが明確でないと、どこから始めればいいのか 迷ってしまうことがよくあります。
しかし、マンダラチャートは中心にある大きな目標から具体的な行動やプロセスを 書き込むことで、目標達成に向けた行動の連鎖が視覚化されます。
これにより、どのプロセスから始めるべきか、どの行動が次に続くべきかが明確になり、 行動を起こしやすくなります。
メリット 4 :簡単に進捗状況の把握ができる
マンダラチャートでは目標達成のためのすべてのステップの全体像を簡単に俯瞰すること ができるため、プロジェクトにおいての進捗管理に役立てることなども可能です。
プロセス全体を把握することで、どのプロセスにおいて遅れが発生しているのかを すぐに特定することができ、担当者と問題について議論し、解決策を模索することが できます。
個人の使用においてもビンゴカードのように各プロセスを完了していくことができるので、 簡単にどのプロセスが完了したのか把握することができます。
マンダラチャートの使用事例
教育においてのマンダラチャートの使い方
教育の場では、マンダラチャートを使って子供たちに自分の目標を設定させ、その達成の ためのステップを考えさせることがあります。
これにより、子供たちは自分自身の目標を明確にし、自分で考えて行動する力が育つ とされています。
メジャーリーグで活躍している大谷翔平選手が高校生の時に「ドラ1、8球団」という 目標設定をマンダラチャートでしたことは有名な話ですよね。
ビジネスでのマンダラチャートの使い方
ビジネスの場では、マンダラチャートを用いてプロジェクトの目標設定やタスクの 分担を行うことがあります。
プロジェクトのメインとなる目標を中心に置き、その目標を達成するために必要な タスクを8つのテーマに分けることで、各プロジェクトメンバーが何をすべきかが 明確になり、プロジェクトの進行がスムーズになります。
またガントチャートなどと併用することで、どの期日でどの程度のタスクを完了すべき なのかを計画することもでき、プロジェクト管理において生産性を向上させることが可能です。
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自己啓発においてのマンダラチャートの使い方
自己啓発の観点からは、マンダラチャートは自分自身の目標を明確にし、その達成の ための具体的な行動を計画するツールとして活用できます。
これにより、自己啓発のための行動が具体的になり、実行に移しやすくなります。
大谷翔平選手のマンダラチャート
大谷選手はプロ野球選手としてもかなり稀な投手と野手の「二刀流」でプレイすることで 有名であり、北海道日本ハムファイターズ所属時代からメジャーリーグのロサンゼルス・ エンゼルスへの移籍まで、数々の伝説を残しています。
では、そんな日本だけでなく、世界が注目する大谷選手は、どのようにしてこのような 偉業を成し遂げれるようになったのでしょうか?
大谷選手は、岩手県・花巻東高校時代の野球部の監督である佐々木洋氏の教えによって マンダラチャートを作成したことで有名でもあり、大谷選手が作成したマンダラチャートの 中心には「ドラ 1、8 球団(8 球団にドラフト 1 位で指名される)」という目標が 設定されています。そして、その周りを囲むように周囲 9×9 の合計 81 マスに細分化した 目標が書き込まれています。
以下が大谷選手が高校時代に書いたマンダラチャートの例です。
大谷選手は、大きな目標である「ドラ 1、8 球団」を実現するために、「コントロール」や 「人間性」などの各目標を確実にこなしていくようにしました。
また、大谷選手はマンダラチャートを作成する際に「なるべく具体的に、また少し高い目標を 書き込むようにした」と話しています。
そういった目標達成に対する真摯な姿勢が現在「怪物」とも呼ばれる大谷選手の成功を 実現したのではないでしょうか。
マンダラチャートの作り方(5ステップ)
ステップ 1 :達成したい目標(メインテーマ)を ブレインストーミングする
まず、マンダラチャートの中心に目標またはメインテーマを設定します。 これがあなたが達成したい一番大きな目標です。
ステップ 2 :サブテーマを考える
次に、その目標を実現するために必要な8つの要素、またはサブテーマを考えます。 これらサブテーマは目標達成のためのステップです。
どのサブテーマが正しいということはありません、メインテーマから自然と連想される 8 つのサブテーマをマンダラチャートのメインテーマの周りに記入しましょう。
ステップ 3 :サブテーマから次のマンダラチャートを拡散させる
サブテーマの周りに関連する語句(アクション)を 8 つ記入しましょう。
後は同じプロセスを他のサブテーマでも続けます。各テーマについて、さらに具体的な 行動やタスクをリストアップすることで、各テーマを達成するための具体的な行動の イメージがしやすくなります。
ステップ 4 :サブテーマごとのアクションを実行していく
サブテーマに関連する語句(アクション)の記入が完了した後は、サブテーマ内で 設定した各アクションを達成していくことで、メインテーマに記入した大きな目標の 達成に一歩ずつ近づいていくことができます。
ステップ 5 :進捗状況を確認する
目標を書き出して、アクションを実行だけで終わりではなく、アクションが計画通り 実行されているのかや、余分なアクションを取っていないかなどの進捗状況を確認する ようにしましょう。
サブテーマごとにタイムスケジュール表やマイルストーンも設定することで、 各アクションがスムーズ完了されているのかも追跡することができます。
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まとめ
マンダラチャート(マンダラート)は、目標達成のための具体的な行動計画を作る ツールとして、自己啓発からビジネス、教育まで幅広い分野で活用されています。
中心に大きな目標を設定し、その目標を8つのテーマに分解し、さらに各テーマを具体的な 行動に細分化することで、大きな目標でもその達成方法が視覚的に理解しやすくなり、 行動に移しやすくなります。
目標達成に効果的なマンダラチャートをプロセス計画のために使ってみてはいかがでしょうか。
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