ビジネスにも使える5W1Hとは?使い方や5W2Hとの違いを解説
「5W1H」は、ビジネスでの企画書や報告書、マーケティング戦略の計画に役立つ フレームワークです。
5W1Hを活用することにより、問題解決や情報収集、文章の構成、プロジェクトの計画に 必要な情報を整理し、俯瞰できるようになります。
この記事では、5W1Hのビジネスでの使い方や意味、5W2Hフレームワークとの違いに ついて解説しています。
記事の最後には5W1H表を作成するのにおすすめのツールやテンプレートも ご紹介しているので、ぜひご確認ください。
それでは、「5W1H」について見ていきましょう!
5W1Hとは?
「5W1H」とは「When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(誰が)」 「What(何を)」「Why(なぜ)」「How(どのようにして)」の英単語から 頭文字を取って名付けられたフレームワークです。
5W1Hは、新しいプロジェクトを始める際や問題解決の過程での情報収集や分析に 役立つフレームワークであり、企画書や報告書、マーケティング戦略の計画において 情報不足や誤りがないか確認し、質の高いアイデアを提供することに役立ちます。
5W1Hを活用するメリット
5W1Hを活用することには多くのメリットがあります。
以下でそのメリットについて見ていきましょう。
1. 情報の整理と構造化
5W1Hの思考を活用することで、大量の情報をシンプルかつ構造化された形式で 整理することができるようになります。
これにより、重要な要点や隠れた事実を見逃すリスクを最小限に抑えることがで可能です。
2. コミュニケーションの促進
チームや他のステークホルダーとのコミュニケーションにおいて、5W1Hは共通の 言語として機能します。
明確で具体的な質問を元にディスカッションを進めることで、情報を透明化し、 高い質の意思決定をサポートします。
3. 総合的な視点で理解できる
5W1Hフレームワークを使用することで問題や事象を多角的な視点で理解できるように なります。
これにより、先入観に捉われることなく、総合的な視点での評価や意思決定が 可能となります。
4. 計画の質の向上
プロジェクトや活動の計画段階で5W1Hを活用することで、明確かつ具体的な計画を 立てることができます。
このフレームワークをガイドラインとして使用することで、情報の漏れや不足を 早期に発見し、すぐに対処することができます。
5. 問題を深く理解する
「なぜ」の質問を掘り下げることで、問題の根本的な原因や本質が理解できるようになります。
これにより、表面的な答えにとどまらず、よりインサイトのある情報を得ることができます。
ここでは、なぜなぜ分析を活用して、より構造的に問題を掘り下げましょう。
6. アイデア出しに活躍
5W1Hをブレインストーミングのセッションなどで使用することで、多様な視点からの アイディアや解決策を生み出すことができます。
特に「How(どのようにして)」の質問は、新しいアプローチや手法を考える際の 基礎となることが多いです。
5W1Hの構成要素・意味
When(いつ)
いつ行動を起こすのかや、いつ事象が起きたのかなど、期間や時期、期日などの時間的な 側面を考えるための要素が「When(いつ)」となります。
Where(どこで)
「Where(どこで)」は、行動や事象がどこで発生するのかや、どのプロセスで問題が 発生したのかを特定するときに考慮する要素です。
Who(誰が)
誰が問題に関与しているのかや、誰が行動を起こすのか、または誰のために何かを するのかにおいて、主体や関係者を特定する際に重要な要素です。
What(何を)
具体的に何をするのか、または何が発生したのかなど、行動や結果、目的を明確にすることに「What(何を)」が役立ちます。
Why(なぜ)
「Why(なぜ)」は、事象や行動の背後にある理由や原因の理解に必要な要素です。
この要素は、原因や目的を深く探ることで、問題の根源や目的の本質を理解するための スタート地点として使用することができます。
How(どのようにして)
具体的な方法や手段、プロセスなど、どのようなステップで目標を達成するのか、 どのような手法を用いるべきなどかなどを示すために役立つ要素です。
ビジネスでの5W1Hの使い方
上記でもご紹介したように5W1Hは、ビジネスの場で広く活用できるフレームワークです。
ここでは、マーケティング戦略、企画書、報告書での5W1Hの応用方法を見ていきましょう。
マーケティング戦略での5W1Hの使い方
マーケティング戦略は、計画や実施の過程で様々な要因が影響します。
5W1Hのフレームワークを使用することで、これらの要因を網羅的に検討し、 効果的なマーケティング戦略を策定することができます。
When(いつ)
キャンペーンや広告を展開する最適な時期や頻度はいつかなどを「When(いつ)」を 使って考えることができます。
例えば、季節や祝日に関連する商品の広告は、その前のシーズンに合わせて展開する 必要があります。
Where(どこで)
広告やプロモーションはどこで行うのかを分析し、ターゲット顧客層が最もよく利用する 媒体や場所に合わせて決定されます。
オンライン上であれば、SNSやウェブサイト、オフラインであれば、雑誌やテレビなどが 例として挙げられます。
Who(誰が)
ターゲットとなる顧客やオーディエンスは誰かなどの具体的なペルソナの作成に 「Who(誰が)」の情報が役立ちます。
具体的なペルソナを作成することで、商品やサービスの適切な宣伝・販売戦略を計画する ための基礎となり、どのようなメッセージや媒体が最も効果的であるかを判断することが できます。
What(何を)
「What(何を)」を見ることで、提供する商品やサービスは何かや、マーケティング活動 の中心となるメッセージや価値提案は何かなど、顧客が購入の決断を下す際の重要な要素を 可視化することができます。
Why(なぜ)
顧客に対して、なぜ自社のプロダクトやサービスを選ぶべきなのかの動機付けを することに「Why(なぜ)」が役立ちます。
これはブランドの独自性や商品の付加価値を強調することで伝えられます。
また、マーケティング活動自体の目的もこの「なぜ」に含まれます。
How(どのようにして)
マーケティング活動をどのように実施するのかの意思決定をする場が 「How(どのようにして)」です。
これには具体的な戦略や手法、さらには予算やリソースの配分などが含まれます。
企画書作成での5W1Hの使い方
企画書は、新しいプロジェクトやイニシアチブの詳細を伝えるための重要なツールです。
企画の意図を明確に伝達するために、5W1Hのフレームワークが非常に役立ちます。
以下で、企画書における5W1Hの活用方法を詳しく見ていきましょう。
When(いつ)
ここでは、企画のタイムスケジュールを考えましょう。開始日、終了日、重要なマイル ストーンや期間内の主要な活動日を明示して、全体の流れを可視化することができます。
Where(どこで)
企画が実施される場所や、それが影響を及ぼすエリアを特定します。例えば、地域限定の キャンペーンや特定の店舗での販促活動などで「Where(どこで)を活用することで、 場所の詳細が伝えやすくなります。
Who(誰が)
企画を担当するのは誰かや、この企画の主要なターゲットは誰かを「Who(誰が)」を 使って、明確に記載します。
これにより、該当企画の対象者や関与する主要なステークホルダーが明確になります。
What(何を)
「What(何を)」は、企画の中心となる内容や目的を具体的に示す部分です。
例えば、新製品の開発やイベントの開催、新しいマーケティングキャンペーンの実施など、 何を達成しようとしているのかを詳細に記述します。
Why(なぜ)
企画を提案する背景や理由を「Why(なぜ)」を使って考えます。
市場の変化や競合の動き、新しいビジネスチャンスの発見など、この企画がなぜ必要なのか、 そしてそれがもたらす利益や価値を明確にする部分です。
How(どのようにして)
実際に企画を実施する方法や手段、必要なリソース、使用するソフトウェア、 連携するパートナーなど、具体的な実施方法を詳細に説明します。
報告書作成での5W1Hの使い方
報告書では、特定の事象や課題、プロジェクトの結果を文書で明確に伝える必要があります。
内容の明確化による、読み手状況や結論に対する迅速な理解を促すことが 5W1Hフレームワークワークでを使うことで実現できます。
When(いつ)
報告するトピックや活動の時期について記入します。
特定の日付や、期間、または重要な時間帯を強調して、時間的文脈を提供します。
Where(どこで)
報告する事象が発生した場所や、調査・活動が実施されたエリアを記載します。
地域的な特性や環境的な要因が報告内容に影響を及ぼす場合、ここでの情報は特に重要です。
Who(誰が)
報告書の対象となる人物や組織、または報告の内容に関与した主要なステークホルダーを 記載します。
この部分で、誰のための報告であるか、誰がその活動に関与したのかを示すことで、 読み手の理解が深まります。
What(何を)
報告の主題や中心となる事象、課題、結果を具体的に説明しましょう。
例えば、プロジェクトの成果物、市場調査の結果、技術的な問題点など、具体的に 何について報告しタイのかをうまく伝えることができます。
Why(なぜ)
報告の背景や目的を説明します。
なぜこの問題や事象が発生したのかや、なぜこの活動や調査が必要だったのかなど、 その原因や背景を詳細に示すことで、報告の重要性や緊急性を伝えることができます。
How(どのようにして)
報告内容に関連する具体的な方法や手段、プロセスを説明します。
どのような方法でデータを収集したのか、どのような手順でプロジェクトを 進めたのかなど、具体的な実施方法を示すことで、報告内容の信頼性・信憑性を 補強することができます。
このように、ビジネスの場で5W1Hは、思考方法や情報整理、コミュニケーション フレームワークとして、多くのシチュエーションで活躍します。
場合によっては、構成要素を入れ替えて、伝えたい事柄と、重要度がより伝わりやすくなる よう工夫することも良いでしょう。
5W2Hとの違い
「5W2H」は5W1Hの派生系のフレームワークであり、5W1Hに「How much(いくら)」 を追加したものです。
1つ要素が多い5W2Hではより具体的な数値を明確することが可能です。
目標までの期間や製品の数などの、ビジネス計画に対する費用やリソースをより明確に したいときに、5W2Hが役立ちます。
5W3Hとの違い
余談ですが5W2Hに「How many(どのくらい)」を追加したフレームワークに 「5W3H」もあります。
5W3Hを使うことで、5W1Hや5W2Hよりも多くの情報を具体的に伝えることができる ようになりますが、情報を詰め込み過ぎてしまうなどのデメリットも5W3Hにはあります。
状況に応じて、必要かどうかを判断して「5W3H」を活用しましょう。
まとめ
5W1Hは、「When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(誰が)」 「What(何を)」「Why(なぜ)」「How(どのようにして)」を通して、 問題解決や情報収集、文章の構成、プロジェクトの計画など、様々なシチュエーションで 役立つ基本的なフレームワークの一つです。
5W1Hは、ビジネスの場でも応用することができ、この記事ではマーケティング、 企画書、報告書の例を使って5W1Hの使い方を説明しました。
また、5W1Hには、「5W2H」「5W3H」の派生系も存在し、目的やシチュエーションに よって情報の具体性を調整することができることも、このフレームワークの魅力の1つです。
今後のプロジェクトのコミュニケーションツールとして5W1Hを活用してみては いかがでしょうか?
Miro で作る5W1H表
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また、Miro ボードでは複数のメンバーが同時に作業できるため、情報共有や フレームワークの編集に活躍します。
以下のリンクから5W1H表の作成に役立つツールやテンプレートをご確認ください。
◆ Miro の5W1Hテンプレート ◆ Miro の5W2Hテンプレート ◆ Miro のブレインストーミングツール ◆ Miro のブレインストーミングテンプレート