カンバンボードとは?アジャイルでの作り方や目的、メリットを解説
カンバンボードについての画像

カンバンボードとは?アジャイルでの作り方や目的、メリットを解説

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カンバンボードとは、タスクをカードや付箋を使って視覚的に整理し、プロジェクトの 効率性を向上するためのプロジェクト管理ツールです。

「誰がどのタスクを担当しているのか」や「やるべきタスクが多すぎでどこから手を付けて いいのかわからない」といった場合に、情報を整理して優先順位や依存関係を可視化する ことに役立ちます。

最近よく聞く、アジャイル開発でもアジャイルチームやDevOpsチームが業務内でスムーズな コミュニケーションを取るためにカンバンボードを使用しています。

この記事ではそんなカンバンボードについてはもちろん、作り方や目的、メリット、作成時に 押さえておきたいポイントについて詳しく解説しています。

記事の最後にはおすすめのカンバンツールやカンバンテンプレートもご紹介しているので、 ぜひご確認ください!

それでは、カンバンボードについて見ていきましょう。

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カンバンボードとは?

カンバンボードは業務内容の可視化や効率化に役立つプロジェクト管理ツールのことを指します。

カンバンボードを使用することでやるべきタスクやその担当者、必要なリソースの割合や 進捗状況の確認などを一目で把握しやすくなります。

これらの情報を視覚的に整理することで、各メンバーごとのキャパシティや業務内でのムダや リスクをすぐに把握することができるので、プロジェクトの生産性を向上することに役立ちます。

カンバンボードの歴史

カンバンボードは、トヨタ生産方式から発展した作業管理手法の一つであり、その起源は 1940年代の日本にまでさかのぼります。

1940年代にトヨタ自動車が生産チームと倉庫チームのコミュニケーションの促進を図る ために、稼働状況を看板(かんばん)に書いて情報共有したのがカンバンの発祥であり、 現在でもカンバンボードとして広く使用されています。

ソフトウェア開発やIT業界での歴史は短く、2000年初頭にデビッド・J・アンダーソン (David J. Anderson)が、カンバンボードをソフトウェア開発のプロジェクト管理に 採用し、タスクの流れを管理、プロジェクトの効率性を向上させるための手法として 使用したことが、今のカンバンボードの形を作ったと言われています。

また、少し前まではホワイトボードやポスター紙にカードや紙を貼り付けてタスクの管理や プロジェクトの情報を可視化をしていましたが、現在ではオンラインで使えるカンバンボード も広く活用されるようになっています。

カンバボードの構成要素

一般的なカンバンボードは、以下の3つの基本要素を列で組んで構成されています。

  • ToDo リスト(バックログ)

  • 進行中

  • 完了

最もシンプルなカンバンボードは、これら3つの要素を使って簡単に作成できますが、 より複雑なプロジェクトや業務フローに合わせて列や要素を柔軟に追加することが可能です。

例えば、完成までに繰り返しのレビューや承認プロセス、修正が必要な場合、これらの プロセスを列としてボードに追加しましょう。

また、一部のカンバンボードは、スイムレーン形式でも作成することができ、ボードを水平に 分割してタスクをさらに分類したり、さまざまな部署や担当者に割り当てることもできます。

例えば、部門ごとにボードを分割し、営業、マーケティング、人事、財務、業務など プロジェクトの中で、それぞれのタスクのために別々のスイムレーンを設定することが できます。

このフォーマットでは、すべてのチームがどのタスクが自分の業務フローに配分されるかや 実行する必要のないタスクはあるかを一目で確認できます。

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カンバンボードとスクラムボードの違い

スクラムボードは、カンバンボードと同様に、アジャイル開発でよく活用されるプロジェクト 管理ツールですが、この2つのツールにはゴール設定において大きな違いがあります。

スクラムボードでは「スプリント」と呼ばれる短い期間を設定し、そのスプリントのゴールに 向かってタスクを完了していきます。

また、あるスプリントが設定され、実行されている期間中は、原則、ボードに新しいタスクや アイテムを追加することができません。

一方、カンバンボードではスプリントのような期間を設定する必要がなく、プロジェクトの ゴールに向けてタスクを順次進めていきます。

プロジェクトが設定した期日内にタスクが完了できるのであれば、追加のタスクやアイテムも 自由にボードに追加することが可能です。

▼ 関連ページ スプリントとは?開発プロセスからメリットをすべて解説

カンバンはリーンかアジャイルか?

まず、アジャイルとリーンについて定義しましょう。

「アジャイル」は、ソフトウェア開発を中心に、プロジェクト管理において反復的かつ インクリメンタルなアプローチを採用する方法論の総称です。

アジャイルでは、プロジェクトを「スプリント」と呼ばれる短い期間に分割し、それぞれの スプリントで計画・設計・開発・テストを繰り返します。

これにより、チームは迅速に変化に対応し、フィードバックを反映しながら継続的に改善を 図ることができます。

「リーン生産方式」は、トヨタ生産方式を一般向けに体系化したものであり、製造プロセスの 無駄を削減し、効率を向上させるための一連の原則と方法論です。

リーン生産方式では、価値の創造に集中し、必要なリソースを最小限に抑えることを目指します。

この考え方は、製造業だけでなく、サービス業やソフトウェア開発などのさまざまなビジネス 分野にも応用されています。

次に、「カンバンはリーンかアジャイルか?」という質問について考えてみましょう。

答えは、両方です。

カンバンは、アジャイルの手法として認識されていますが、もともとはリーン生産方式の 一部として生まれました。

カンバンは、作業を視覚化し、進行中の作業量(WIP: Work In Progress)を制限する ことで、プロセスのボトルネックを発見しやすくし、継続的な改善を促します。

アジャイルプロジェクト管理において、カンバンボードはタスクを「To Do(やるべき こと)」、「In Progress(進行中)」、「Done(完了)」などのステージに分けて視覚化する ことで、チームが作業の流れを管理しやすくします。

これにより、チームは作業を継続的に進めながらも、優先順位や進行状況を把握し、 スムーズなコラボレーションを実現します。

一方で、カンバンボードは「プルシステム」を採用しており、これはリーン生産方式の 中核的な要素です。

プルシステムでは、需要に応じて新しい作業を開始するため、過剰な作業や在庫を最小限に 抑え、効率的なプロジェクト遂行を可能にします。

その結果、カンバンは、プロジェクトを計画通りに進め、必要な作業に集中し、無駄を減らし ながら効率的に成果を上げるための強力なツールとなっています。

これは、アジャイルの柔軟性とリーンの効率性の両方を兼ね備えたフレームワークです。

カンバンボードの目的

カンバンボードは、以下の目的で使用され、これらを理解することでその効果を最大限に 引き出すことができます。

プロジェクトやワークフローの可視化

カンバンボードは、業務フローやプロジェクトの進行状況を視覚化するためのツールであり、 どのタスクを誰が担当しているか、締め切りはいつかなど、重要な情報を一目で把握する ことに役立ちます。

これにより、業務内容の整理や情報の透明化を促進できます。

効率性の向上

カンバンボードは、プロジェクトを完了するためのタスクの計画に役立ちます。

タスクの詳細をチーム全体で共有することで、各メンバーが効率的に作業を進められ、 生産性が向上します。

ボトルネックの解消

カンバンボードは、業務フローの中で発生するボトルネックや問題点を特定するのに 役立ちます。

タスクが停滞している部分を見つけることで、問題を早期に発見し、改善策を講じることが できます。

また、各タスクを異なるステージに移動させることで、進行中の障害を簡単に見つけることが 可能です。

カンバンボードを活用するメリット

カンバンボードは、さまざまなプロジェクトで活躍するツールであり、以下の4つの メリットを得ることができます。

  • 進捗状況の可視化ができる

  • 柔軟に設定ができる

  • シンプルで使いやすい構造をしている

  • チーム内の認識合わせに役立つ

1. 進捗状況の可視化ができる

カンバンボードは、プロジェクトの進捗をリアルタイムで確認できるため、プロジェクトに 変更や更新があった場合でも、すぐにボードに反映させ、プロジェクトチーム全体で共有する ことが可能です。

2. 柔軟に設定ができる

カンバンボードは、スクラムボードのように特定のルールに縛られることなく、柔軟に カスタマイズできます。

そのため、プロジェクトのニーズに合わせて最適なボードを設定でき、さまざまな ビジネス環境で活用できます。

3. シンプルで使いやすい構造をしている

カンバンボードは、シンプルな構造を持ち、設定も操作も理解も簡単であり、誰でも プロジェクト管理ツールとして活用できます。

4. チーム内の認識合わせに役立つ

プロジェクトメンバー全員がカンバンボードを使って情報共有することで、各メンバーが どのタスクに取り組んでいるのか、プロジェクト全体の進行状況、タスク間の依存関係などを 簡単に確認できます。

これにより、チーム全体の認識を統一することに役立ちます。

カンバンボードの例

実際にカンバンボードがどのように使用されているのか以下で見てみましょう。

上のカンバンテンプレートはバックログ、ToDo、進行中、完了の4つの列に分かれています。

コンセプトが決まっていて、完了する必要のあるタスクはすべて、「バックログ」または 「ToDo」リストにリストアップされます。

例えば、PRチームのバックログにあるタスクの1つは、製品リリースに対するプレス リリースを作成することです。

「ToDo」の列には開発チームがイメージアイデアを追加し、デザインチームがブリーフに 追加することでアクションを起こす必要があります。

「進行中」リストには、各チームが現在取り組んでいるすべてのタスクが含まれます。

これらは「ToDo」リストから移動されたタスクで、例えばモバイル版の設定などがあります。

完了し、引き継がれたタスクは「進行中」リストから「完了」セクションに移動します。

上記の例では、ブリーフからの画像が効率的にエンコードされると、タスクはカンバン ボード上の「完了」列に移動します。

ちなみに上記のイメージは実際に Miro のカンバンボードテンプレートを使用してカンバン ボードを作成したイメージです。

カンバンボードの作り方

カンバンボードは、プロジェクトの属性によって作り方が三者三様ですが、ここでは一般的な カンバンボードの作り方をご紹介します。

カンバンボードは、タスクやプロジェクトの進行状況を視覚化し、効率的に管理するための 強力なツールです。

以下のステップに従って、効果的なカンバンボードを作成しましょう。

Step 1:カンバンボードの目的と範囲を決める

最初に、カンバンボードを使用する目的とその範囲を明確に定めます。

カンバンボードは、プロジェクトの進行状況を可視化し、チーム全体で作業の流れを 把握するためのものです。

何を管理したいのか(例:ソフトウェア開発、マーケティングキャンペーン、日常業務など)、 またどのチームやプロジェクトに使用するのかを明確に定義しましょう。

このステップでの決定に基づいて、ボードの構造や使用する列を設定していきます。

Step 2:列を設定する

次に、カンバンボードの基本的なカラム(列)を設定します。

一般的にカンバンボードでは、以下の3つの主要な列が設定されます。

  • ToDo リスト(バックログ):まだ開始されていないタスク

  • 進行中:現在取り組んでいるタスク

  • 完了:完了したタスク

これらに加えて、プロジェクトのニーズに応じて他の列を追加することも可能です。

例えば、「レビュー待ち」や「テスト中」といった列を設けることで、プロジェクトの進捗を さらに細かく管理することができます。

Step 3:タスク(カード)を追加する

次に、ボードにタスクを追加していきます。各タスクは「カード」としてカンバンボードに 表示され、タスクのタイトル、詳細説明、担当者、期日などの情報を含むことができます。

タスクは「To Do」カラムに最初に配置し、進捗に応じて他の列に移動させます。

これにより、タスクの進行状況が視覚的にわかりやすくなり、チーム全員が現在の状態を 把握できるようになります。

Step 4:作業中のタスク数(WIP: Work In Progress)を制限する

カンバンの重要な原則の一つは、同時に進行するタスクの数を制限することです。

これにより、作業の集中度が高まり、ボトルネックや作業の停滞を防ぐことができます。

各列に最大で許容されるタスク数(WIP制限)を設定し、チームがその制限を超えないように します。

これにより、プロジェクトが滞る原因を特定しやすくなり、スムーズな進行が促されます。

Step 5:作業中のタスク数(WIP: Work In Progress)を制限する

カンバンボードは固定されたものではなく、継続的に改善する必要があります。

チームは定期的にボードのレビューを行い、進捗を確認しながら改善点を話し合います。

たとえば、スプリントの終わりや週次のミーティングで、ボトルネックの原因や作業の 効率化について議論することで、より効果的なワークフローを実現できます。

必要に応じて、カラムの追加や削除、WIP制限の調整などを行い、プロジェクトに最適な 状態を保ちます。

カンバンボードの作成には Miro がおすすめ

Miro のビジュアルワークスペースでは、ドラッグ&ドロップでカードやタスクを移動させる だけで簡単にカンバンボードを作成することができます。

また、オンラインのテンプレートを使用することで、カンバンボード初心者の方でもすぐに ボードの作成を開始できます。

また、Miro ではチームメンバーが同じカンバンボードに同時にアクセスし、変更や更新を 即座に共有できます。

これにより、リモートチームでもリアルタイムでコミュニケーションを取りながら プロジェクトを進めることができ、迅速なフィードバックや意思決定が可能になります。

オンラインでのコラボレーションを強化するために、コメント機能や通知機能も用意されて おり、チーム内の情報共有をさらにスムーズにすることができます。

さらに、Miro は人気のプロジェクト管理ツールやコミュニケーションツールとの連携が 可能であり、JIRA や Trello、Asana などのタスク管理ツールとの連携が可能です。

この連携機能により、他のツールで管理されているタスクを Miro 上で一元管理できます。

Miro を使って効率的なアジャイル開発やプロジェクト管理を実現しましょう!

以下のリンクから製品情報をご確認いただけます。

Miro のアジャイル開発ツールMiro のカンバンツールMiro のカンバンテンプレートMiro のアジャイル開発テンプレートMiro のプロジェクト管理テンプレートAtlassian ツール(JRA・Confluence)との連携機能について

新しい働き方を Miro で実現しましょう!

Miro はチームで課題を解決し、新しいアイデアを発見するための「ワークスペース」です。
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